コラム

屋根置き太陽光「初期投資支援スキーム」が導入されます

まもなく今年4月から、建築物省エネ法改正により全ての新築住宅に省エネ基準適合義務化がスタートします。建築業界も本格的に省エネ時代を迎えることになります。
現時点ではまだスタートラインであり、目指すところは2050年カーボンニュートラル。
その上で「省エネ」だけではなく、「創エネ」も重要な課題となってきます。
そんな中、経済産業省資源エネルギー庁から住宅用屋根置き太陽光設置おいて、2025年度以降の固定買取価格制度(FIT)における買取価格の内容が公表されました。
2026年度から投資回収の早期化を目的に「初期投資支援スキーム」が導入されるという事ですが、どのような内容なのでしょうか?

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1.「初期投資支援スキーム」創設

経済産業省資源エネルギー庁は2025年1月30日に調達価格等算定委員会を開催し、需給近接型太陽光発電設備に対する「初期投資支援スキーム」について公表しました。
2025年度以降の固定買取価格制度(FIT)の買取価格についてまとめた格好になります。
屋根置き太陽光の投資回収年数短縮を図ることを目的に「初期投資支援スキーム」を導入する内容になります。
太陽光の設置コストも低下する中、導入も進められていますが、適した用地取得は容易ではなく、屋根置き太陽光設置促進に着眼されたことになる。
ただその場合、財務基盤が弱い個人消費者が対象となるため、設置費用(初期投資費用)の早期回収の施策として当該スキームの措置が施された背景になる。
既に確定している2025年度の買取単価は、住宅用10kw未満の太陽光で10年間「15円/kwh」となっている。それに対して、2026年度は、当初4年間は「24円/kwh」とし、残りの5~10年は「8.3円/kwh」として、早期回収に特化した段階的な買取価格設定とする。
あくまでも総額ではなく早期回収を目的として、普及促進を促す構えになります。
下図がわかりやすいかと思います。

参照元:経済産業省資源エネルギー庁資料 
https://www.meti.go.jp/shingikai/santeii/pdf/102_02_00.pdf

つまり10年かけてゆっくり回収ではなく、最初の買取価格を高くして早めに回収の目途を立てましょう。ということですね。
また既に2025年度の売電価格を前提に進めている事業者の導入促進を滞らせないため、今年10月からの適用とすることも合わせて公表されています。
なお、新築建物に太陽光発電設備を設置する場合においては、「設備費用が住宅の建設・購入費用の内数となり、太陽光発電設備自体の投資回収期間が、太陽光発電設備の導入に対する大きな障壁にならない」との指摘もあったとのこと。
ただ、新築戸建住宅への太陽光発電設備設置率は、現在31.4%程度。2030年度の60%目標に対してはまだまだ不十分なため、現時点では新築建物への設置を「支援の対象外とせず」、今後の導入率や動向にどのような影響を与えるかモニタリングしていく必要性を示唆しており、注視していく必要はあります。
いずれにしても、世の中は「省エネ」から「創エネ」が当たり前の時代に向かおうとしています。少なくとも当該スキームの導入により、資金回収に疑問を持っていた消費者の動きは変わってくることは間違いないでしょう。
建築においても近い将来ZEH水準の住宅は当たり前。
また、どんどん建物の荷重は増え、屋根置き太陽光設置(重い屋根)の構造計算も当たり前となっていくでしょう。
様々なことが関連して国の施策も動いておりますので、最新の情報を察知してお施主様に提案していく必要があります。
この流れは、冒頭にお話しした「2050年カーボンニュートラル」が基本となっておりますので、確認しておきましょう。

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2.2050年カーボンニュートラル実現に向けて

2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、建設業界が取り組まなければならないことはどのようなことでしょうか?
地球規模の大きな課題である気候変動問題において、世界各国が取り組まなければならない地球温暖化ガス排出量の削減が根底にあります。
結論から言いますと、建設業界では2050年時点では温室効果ガスの排出量を全体として「0(ゼロ)」にするというものになります。
国内のCO2排出量全体の約1/3を占める住宅・建築物において、エネルギー消費・CO2排出の更なる削減が求められているという事です。
ここで言う「2050年には温室効果ガスの排出量を全体としてゼロにする」という事は、既存のストック住宅も含めた全体平均でという事であり、その頃にはZEH・ZEB水準の省エネ性能を確保できていることになりますので、屋根置き太陽光設置を基本として創エネが当たり前の時代を今から目指しているという事を改めて認識しておきましょう。
今から25年後のことですが、「ストック住宅も含めて」という事で考えれば、今建てる住宅はその時代のストック住宅であるという事なので、今回の屋根置き太陽光発電設備の初期投資支援スキームの導入は、当然の施策という事になります。
1997年の京都議定書から2015年のパリ協定を経て、世界から見ても当時の日本の省エネ性能は失笑されるほど未熟なものだったと言われております。
その為、国内のすべての業種において目指さなければならない最優先目標という事になるでしょう。
2025年4月から建築物省エネ法改正により、やっと省エネ基準適合義務化がスタートしますが、GX志向型住宅という言葉が出てきたことも踏まえ、最低水準の等級4を取ればいいという訳ではなく、現時点でZEH水準の住まいづくりを標準としていくことは、長期的な時代の流れを考えれば必須のことと言えるでしょう。

断熱性能が高まれば、建物は重くなります。さらに太陽光設備が屋根に乗ればもっと重くなります。頭が重くなった住宅は地震時にも大きく揺れます。
そうなると耐震性能も高めなければならない。だからこそ4号特例縮小で壁量係数の変更もされることになります。
先に申し上げた通り、様々なことが連鎖して現在の法改正を導いています。
住宅会社が1企業内だけで対応できる時代も変わりつつあります。
在住ビジネスは、そんな住宅会社の悩みを解決できるサポート企業でありたいと考えております。

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