先月、令和7年度末の建設関連業の国土交通大臣登録業者数の取りまとめが公表されました。建設コンサルタント業、地質調査業などが概ね横ばいで推移しているのに対して、測量の登録事業者の減少に歯止めが利かない現状が明らかとなりました。建設業界において全ては測量から始まるというほど重要な業務ですが、その事業者が年々減少することで建設業界の未来に不安を招いています。
住宅業界においても、その傾向は顕著に表れており、複数提供しております建築サポートコンテンツの中でも敷地調査サービスに関する問合せがダントツ1位となっています。
「なぜ、測量業者は減少しているのか?その要因は何なのか?」
本コラムでは、住宅業界の皆様に衰退の一途をたどる測量業界の現状と、今まさに住宅会社に求められるコンプライアンス意識の必要性についてお伝えしていきたいと思います。
在住ビジネスでは、測量、地盤関連業務から構造計算、省エネ計算、そして様々な建築業務サポートを行っています。是非お気軽にお問い合わせください。
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目次
国土交通省が「測量登録業者22年連続減少」を公表
国土交通省が公表した最新データ(令和8年8月28日発表)によると、令和7年度末時点の国土交通大臣登録事業者において、国内の測量業者は22年連続で減少したことが明らかになりました。平成15年(2003年)のピーク時には1万4,750業者あった登録数が、現在は1万924業者まで落ち込んだという事になります。 ピーク時の1/4の業者が倒産・廃業又は撤退したことになります。
■国土交通大臣登録事業者数(令和7年度末)の概要
| 測量業 |
| 10,924業者(新規登録271業者、登録消除487業者) |
| 前年度比216業者(1.9%)減、平成15年をピーク(14,750業者)に22年連続で減少 |
| 建設コンサルタント業 |
| 3,917業者(新規登録102業者、登録消除115業者) |
| 前年度比13業者(0.3%)減、平成17年をピーク(4,214業者)に概ね横ばい |
| 地質調査業 |
| 1,229業者(新規登録36業者、登録消除28業者) |
| 前年度比8業者(0.7%)増、平成17年をピーク(1,390業者)に概ね横ばい |

(引用:https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo14_hh_000001_00376.html)
建設コンサルタント業や地質調査業においては、登録削除業者と新規参入業者に大きな差が無く総数としても変動が少なく、概ね横ばいの状況が確認できますが、測量業においては、その差が200以上と大きく、参入業者より撤退業者の方が明らかに上回っていることが確認できます。いくら少子化が進み新築着工棟数も減少しているからとはいえ、測量業界だけ約22年前から減少の一途を辿っているという事は見過ごせない状況でしょう。
「いつも頼んでいる測量会社が廃業した・・・」
「従来の価格では受けてもらえなくなった・・・」
「1ヶ月以上も測量図の納品を待たされた・・・」
このようなご経験を日常の業務でも感じる機会も多くなっているかもしれません。すでに測量業界は数字からもわかる通り、充分な品質、納期、収益を保てない状況にあると言えます。現場でこうした声が増えているのには、明確な構造的原因があると考えられます。その要因を見ていきましょう。
測量業者が減少を続ける3つの根本的要因
なぜ、これほどまでに測量業者は減り続けているのでしょうか?要因は大きく分けて3つあります。
経営者・技術者の高齢化と深刻な後継者不足
業界全体で高齢化が進み、経営者の引退や熟練技術者の退職に伴って事業を継続できなくなるケースが増加しています。親方から弟子へと長年かけて培われてきた伝統的な測量ノウハウや技術の継承が途絶えてしまうことが、事業撤退の最大の引き金となっています。若者の担い手不足は非常に大きな課題です。
公共工事の縮小とIT(DX)技術の普及
公共事業の変遷に伴い市場環境が厳しくなったことに加え、近年ではドローンや3Dレーザースキャナなどを活用したデジタル技術(DX)の普及が進みました。作業の効率化が達成された一方で、最新機器の導入コスト負担やIT適応へのハードルから、小規模事業者が淘汰される流れが加速しています。国が中小企業省力化投資補助金制度などで設備投資を促す一方、そのレールに乗るのも難しい事業者も多いと言えるでしょう。
執拗な価格ダンピングからグレーな価格競争へ
そもそも、測量業のような物販ではなく「技術力や人件費」がコストの大半を占める業界では、執拗な価格ダンピングが蔓延する構造にあります。ただ、建設業法改正、測量法改正を経て制度的に価格ダンピングが難しくなり、人材離れの抑制の方向に舵を切られる方向になりました。しかし、依然として低水準の価格競争はおさまらず、アウトではなくグレーラインの「下請たたき」とも取れる状況は引き続いている状況にあります。難易度の高い資格と技術を要する業種にもかかわらず、収益性における課題も大きいのかもしれません。その為、若い担い手確保の障害にもなり、悪循環を招いているとも言えるでしょう。
「対等なパートナー」のために「下請法」から「取適法」へ
測量業界が多くの課題に直面している状況の中で、意外と浸透していないのが2025年12月に完全施行した「改正建設業法」です。測量業者のみならず、建設業全体の担い手不足を解消するために、何回かに渡り改正が繰り返され、「価格・納期ダンピングの禁止」「労務費の確保」「働き方改革」など、業界の課題改善を促す法改正となったわけですが、まだまだその認識が広まっているとは言えないのかもしれません。また、測量法においても同様に2025年(令和7年)に改正され、資格取得の要件緩和や受験環境の整備など有資格者・人材確保に向けた取り組みが進められましたという背景もあります。
さらに2026年1月には、「下請法」の略称で通ってきた「下請代金支払遅延等防止法」においても、改正されたことはご存じでしょうか?
改正後の改称は「中小受託取引適正化法」、通称「取適法」になりますが、改正の大きなポイントは、「発注者側=親(元請)、受注側=下請」という従来の上下関係を彷彿させる呼称を変更した点かもしれません。
「親事業者(元請)」は「委託事業者」に、「下請事業者」は「中小受託事業者」の呼称に変わったことで「下請け」という言葉は消滅することになりました。また単なる価格ダンピングの禁止という事だけではなく、原価高騰を考慮しないで売価上昇を抑制し、「中小受託事業者」の利益を圧迫することも禁止となりました。
これらのことは建設・測量業界にとっては大変大きな前進であり、労働環境の改善に向かっていくと考えられます。
しかし、長期にわたる人材不足と廃業の流れを食い止めるには少し遅れを取ったのかもしれません。現時点では国土交通省の公表データの通り、現場の環境改善はまだまだこれからの状況で、供給能力の低下は依然として続いているという事でしょう。
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注意!「従来の低価格」要求は法令違反リスクへ
このように様々な法改正が施行された中で、まだまだ測量業者の手がこれほどまでに不足しているにもかかわらず、住宅業界の一部では「従来通りの低価格」「無理な納期」を要求する動きが未だに見られているという状況も否めません。
「法律が変わっていることを知らなかった・・・」
「わかっていても住宅会社としてのコストダウンも厳しい状況・・・」
全ての事業者に浸透、順応していけるにはしばらく時間がかかるのでしょう。ただ、こうした発注姿勢はコンプライアンス違反に抵触することはもちろん、測量業者自体の減少を招き、依頼先を探すことに苦悩することにもつながります。厳しい環境を自ら招いてしまっていく未来が待っていることを考えていく必要があるかもしれません。
価格だけを理由に厳しい条件を押し付けたり、中小受託事業者(下請け)の適切な人件費・技術料を削るような交渉を続けたりすることは、行政指導や法令違反のリスクに直結します。悪質な場合などにおいては公正取引委員会から勧告及び企業名公表などのペナルティにもつながり、社会的信用を失う可能性もあるので注意が必要です。
これからは上下関係がある「下請け」という概念ではなく、対等な取引相手である「パートナー企業」として適切な価格での取引と、持続可能な協力関係の構築が不可欠で、まずは同じ目線でコンプライアンス意識の再確認が必要な時代に入っているのです。
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現況測量に加えて、建築条件の確認を目的とした役所調査などもご要望に合わせて対応可能ですので、状況に応じて新たなアウトソーシング先として在住ビジネスのホームページにて予めご確認していただくことをお勧めします。
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