コラム

地震に強い家づくりを考える ー南海トラフ地震に備える耐震性能ー

住宅建築に携わる以上、地震対策は常に念頭に置いて設計に取り組まなければならない重要課題です。その上で、昨年8月に発生した宮崎県沖の最大震度6弱の地震は、南海トラフ地震に対する意識を高めるには十分すぎる出来事でした。
日向灘地震においては、過去の地震でプレートの岩盤が破壊されずに「割れ残り」が生じており、南海トラフ地震が発生するリスクが高まっていると指摘されております。
その中で、今月(2025年1月)13日に再度、日向灘を震源とするマグニチュード6.9の地震が発生し、短期間で南海トラフ地震への危機意識がさらに高まったことかと思います。
避難経路の確認・訓練、備蓄、は勿論のこと、建築業界においては今まで経験したことない大地震にどのように向き合っていく必要があるのか?
本コラムでは、南海トラフ地震を理解することから「建築の巨大地震対策」についてお話しさせていただきます。

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https://zaijubiz.jp/service/wallstat/

▽不同沈下・地盤沈下の悩みは「建サポ 沈下修正工事」にご相談を
https://zaijubiz.jp/service/chinkasyusei/

1,南海トラフ地震を知る

地震に備える上で大事なことは、「地震を知る」という事が、第一に重要になります。
南海トラフ地震は、関東から東海・四国・九州までに渡る巨大なプレートのひずみで発生が懸念される大地震で、太平洋側の「フィリピン海プレート」が大陸側の「ユーラシアプレート」に1年間当たり数センチの速度で沈み込んでいくことで発生すると言われており、そのプレート境界を南海トラフと呼んでおります。
その地球の活動が続く境界付近でプレートが限界に達した時の跳ね上がる力で大地震が発生するわけですが、広域にわたるプレートが連動的に広域かつ繰り返しで地震を発生させると懸念されております。
公表されている記録では、遡ること14世紀以降から100~150年周期で大地震が発生しており、前回の発生は、1944年12月7日の昭和東南海地震(M7.9)であり、その2年後には立て続けに、昭和南海地震(M8.0)が発生していることも見過ごせない過去の経験であります。つまり、現在は前回発生から約80年が経過しているため、発生周期から考えると「今後30-40年以内の発生確率は~」という発表が目に付くという事になります。
先ほど「広域かつ繰り返し」という表現をさせていただきましたが、南海トラフは東西に大変長いプレート境界であるが故に、東側・西側において時間差で大地震が発生するのが過去の記録で明らかになっております。
参考までに昭和東南海地震は先に「東側」で発生し、その2年後に「西側」で昭和南海地震が時間差で連動して発生しております。

▽参照サイトはこちら
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/jishin/nteq/index.html

2,南海トラフ巨大地震 30年以内発生確率が80%に

いつ発生するかわからない大地震は、日頃の備え、防災意識を高めることが大事です。
記憶に新しい国内の大地震も、世界規模や過去の歴史と比較しても、もっと大きな地震はたくさん発生してます。
建築業界においては、計算上の耐震性能だけではなく、想定以上の地震に耐えうる住まいづくりを探究していく必要があるでしょう。
「もはや巨大地震は、いつ発生してもおかしくない」
2025年1月16日に政府の地震調査委員会は、同月13日の宮崎県日向灘の地震発生を受け、南海トラフ巨大地震の今後30年以内の発生確率を70%から80%に引き上げることを公表しました。
2013年以前までは60%と言われておりましたが、当然、年月を重ねるごとに「いつ発生してもおかしくない」という状況に置かれているという事になります。
まだ能登半島地震の記憶が新しい中、日本国内では地震のリスクが低い地域は無いと考えたほうが良いでしょう。
では、私たちの命を守ってくれる住宅においては、巨大地震に耐えうる耐震性能をどのように考えればよいでしょうか?

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https://zaijubiz.jp/service/chinkasyusei/

3,wallstatは、実際の地震の「〇〇倍の地震波」で検証可能

先のコラムでwallstat(ウォールスタット)の有効性は説明させていただきました。
これまでは、過去に経験したことがある大地震における倒壊シミュレーションのお話が主となっておりましたが、今後予想される「経験したことのない巨大地震」に対しては、どのように対策を講じればよいのか?
まず、基本的なこととして、2025年4月以降の新築着工物件においては、40年ぶりの建築基準法改正により壁量基準が変更となり、必要壁量が増えますので基本的な耐震性能は向上されることが言えます。
その上で、どこまで強固な設計をすればよいのか?
また、どのくらいの地震にまで耐えられる設計なのかを確認するすべはあるのか?という課題には、wallstat(ウォールスタット)なら、ご期待に添えることを最後に検証動画と合わせてご案内させていただきます。
百聞は一見如かず。
まずは、検証動画を見ていただきましょう。

▽wallstat検証動画_新壁量基準+地震波1.25倍
https://youtu.be/AqC_WWNpdBo

wallstatでは、国内で発生した様々な地震波での検証が可能ではありますが、今後、今まで以上の巨大地震が発生することを想定して、2倍・3倍の地震波設定が可能となっております。本動画での2棟の建物は、設計プランは同一ですが、現行の壁量基準と新壁量基準のもので、いずれも耐震等級3相当の仕様で入力設定しております。
さらに、地震波においても熊本地震(益城町本震)の1.25倍の地震波設定での検証になります。
こちらでは比較がわかりやすいように、地震波の倍率を調整させていただいております。
本来、wallstatは、単に設計済みのプランを検証して「強い・弱い」を確認することだけではなく、このように想定する巨大地震に対しても建築前に安心の確認ができる有効なソフトであるという事をご理解いただければ幸いです。
大地震が来ないことを祈るだけではなく、大地震が来た時のためにどのような準備をしていくかが重要な時代に差し掛かっていると思います。
検証しながらの設計改善相談は、在住ビジネスのスタッフがサポートさせていただきます。
住み続けられる住まいづくりに取り組んでいきましょう。

▽wallstatソフトダウンロードはこちら
https://support.wallstat.jp/wallstat5s-download/

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https://zaijubiz.jp/service/wallstat/

▽不同沈下・地盤沈下の悩みは「建サポ 沈下修正工事」にご相談を
https://zaijubiz.jp/service/chinkasyusei/

※在住ビジネスは、(一社)耐震性能見える化協会の事務局としても活動してます。

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