現行法では、4号建築物とされている木造2階建てや木造平屋建ては審査省略制度の対象であることでスピーディに建築することが可能でした。しかし、2025年から4号特例が縮小されることが決定しました。それに伴い、私たちはあらゆる変更対応が求められています。
1,なぜ縮小に変わるのか
まず4号特例は住宅不足であった時代が背景にあり、供給力を確保するために設けられていました。ですが、審査件数が増えるにつれて審査内容漏れや審査のレベルにばらつきが出始めるようになりました。加えて、2005年の耐震構造計算書に偽装が問題となった構造計算書偽造問題が発生しました。いずれの問題が重なり、4号特例の見直しが長年検討され、今回の縮小に至りました。
2,主な変更点
4号特例の縮小に伴う変更は大きく2点あります。
①「検査・建築確認」「審査省略制度」の対象範囲が変わります。
現行法では木造2階建て・木造平屋建て等の木造建築住宅はいずれも4号建築に分類され、都市計画区域内に建築する際には建築確認・検査は必要ですが、審査省略制度の対象でした。ですが、4号特例の縮小になった後は下記の通りに変更されます。
現行の4号建築物は新2号建築物(木造2階建て・木造平屋建て延べ面積200㎡越)・新3号建築物(木造平屋建て延べ面積200㎡以下)と2種に分類されます。そして新2号建築物に分類されることで審査省略制度の対象外に変わることになります。
②確認申請時に構造・省エネ関連の図書提出が必要になります。
現行法では確認申請書・図書(一部図書省略)のみとなっていますが、改正後は新2号建築物、新3号建築物で申請書の提出内容が変わります。
新3号建築物は現行法のままですが、新2号建築物は確認申請書・図書に加えて構造関係規定等の図書・省エネ関連の図書が必須になります。したがって、今後全ての木造2階建て及び木造平屋建て(延べ面積200㎡越)を建てる際には、構造計算を実施し、構造関連図書提出することが絶対条件となります。
3,いつから施行か
4号特例の縮小は2025年4月から施行予定です。省エネ基準の適合義務化に併せて行われる予定ですが、施行まで残り間もない状況です。そのため、私たち建築業分野では制度の対応を施行前までに整えていくことが求められています。
4,今後の課題点
4号特例の縮小に伴い、私たち建築業分野で対応する書類や工程が増えることが想定されています。自社で円滑に対応を進めていくことが求められますが、労働基準法改正に伴い、対応できる労働時間が限られています。したがって、自社での対応に加え、バランスよくアウトソージングも検討していく事も良いのではないでしょうか。
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