「まだ先の話だ」――そう思っていた蛍光灯の終焉が、いよいよカウントダウンに入りました。
水銀に関する水俣条約に基づき、2026年末にはコンパクト形・電球形蛍光灯の製造・輸出入が禁止され、2027年末には直管蛍光灯も市場から姿を消します。2026年度以降、日本中でLED交換工事の「空前絶後のバブル」が起きるのは火を見るより明らかです。
しかし、今回の波は過去の買い替え需要とは決定的に違います。単なる「品不足」だけでなく、「法律の壁」が立ちはだかっているからです。
この記事では、迫る2027年に向けて起こりうる石綿事前調査の問題や省エネ性能の高まりについて解説していきます。
在住ビジネスでは、石綿事前調査から省エネ計算業務まで、様々な業務サポートを行っています。是非お気軽にお問い合わせください。
※法人(住宅事業者)向けのサービスになります。個人のお客様は住宅施工業者様経由にてお問い合わせいただきますようお願い申し上げます。

目次
蛍光灯の2027年問題
2027年末までに、一般照明用の蛍光灯の製造・輸出入が終了することになっています。これは水俣条約締約国会議での決定によるもので、2026年1月より順次、製造と輸出入が規制されているようです。
参考:https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/joho/led_shomei/index.html
2026年、工事を頼んでも「来ない」日がやってくる?
2026年に入ると、LEDへの交換工事の駆け込み需要はピークに達します。
- 資材の枯渇: 特定の器具や部材の納期が数ヶ月待ちになる。
- 人手不足の深刻化: 腕の良い工事業者の予定は半年先まで埋まる。
- コストの暴騰: 需要過多による施工費の上昇に加え、物流コストも上乗せされる。
「切れてから替えればいい」という楽観視は、「暗闇の中で数ヶ月待たされる」というリスクに直結します。
知らないでは済まされない「石綿(アスベスト)事前調査」の義務
ここが今回のコラムで最もお伝えしたい「警告」です。 特に直管形蛍光灯の器具交換を行う際、単なる消耗品の交換ではなく「工事」と見なされる場合、石綿事前調査が法律で義務付けられています。
2021年4月から2023年10月の法改正にに掛けて、破壊を伴う改修工事においては「大小問わず」資格者による石綿事前調査が義務付けられ、一定規模以上の解体・改修工事においては、労働基準監督署への報告が必須となりました。
- 直管系器具の落とし穴
器具を天井から取り外し、配線や下地を触る作業は「改修」にあたります。 - 2006年以前の建物は要注意:
アスベスト使用の可能性がある建物で調査を怠り、万が一飛散させた場合、多額の罰則だけでなく、企業の社会的信用を根底から揺るがす事態に発展します。 - 建築物と工作物の理解
工事が伴うLED交換工事で注意したいのが、建築物と工作物への理解です。器具周辺の下地材等は建築物に該当しますが、電気設備は工作物に該当し、必要な資格が異なりますので、社内で該当する資格保有者がいるかどうかの確認が必要です。
「とりあえず安い業者」が最も危険な理由
このバブル期には、法令遵守(コンプライアンス)を軽視した無資格な業者が横行する可能性があります。 「事前調査なしで安くやりますよ」という甘い言葉に乗ってはいけません。
石綿の規制強化がされた中で、「発注者の配慮義務」という事も決められており、発注者(オーナー・消費者)においても不適切な工事が行われた場合、責任を問われるケースもあるので、ご注意ください。
もうひとつの2027年問題「エアコン省エネ基準見直し」
「2027年問題」としてもうひとつ挙げられるのが「エアコン2027年問題」です。具体的にどんなことが問題とされているのでしょうか。
エアコン2027年問題
市場では家庭用エアコン(壁掛けエアコン)の省エネ基準が2027年度から一気に底上げされ、高性能な製品が基本となります。それによって従来の省エネ性能が低い製品が店頭から消え、エアコンの市場価格は大幅な価格高騰が予想されています。これが通称「エアコンの2027年問題」と呼ばれています。
これらは全て2050年カーボンニュートラルに向けて、住宅も設備も省エネ性能が高いものを目指す世の中の大きな流れが影響しています。
LED照明もエアコンにおいても、従来の最高の省エネ基準が今後の最低基準となるトップランナー制度の影響で、2028年度以降もその他の設備機器にも波及していく予定となっています。
2026年度はエアコンの交換工事も駆け込み需要
一般家庭においては、金額の影響が大きいのがエアコン価格のため、目に付くニュースでは、価格が高騰する前の2026年度中のエアコンの交換工事が一気に増える予測が大勢です。
この時注意したいのは、直管蛍光灯の交換工事と同様に、エアコンの交換工事においても石綿事前調査は基本的に必須になるということです。
先に述べた通り工事の大小問わず、破壊を伴い改修工事は必ず石綿事前調査を実施する必要がある事を理解しておきましょう。壁に「ビス1本」打ち込みだけでもやり方によっては石綿が飛散する可能性があるため、場合によっては石綿事前調査が必要になります。このように、石綿を規制するために大変厳しい規制があるため、施工する側も発注する側も理解しておく必要があるでしょう。
まとめ
2050年カーボンニュートラルの目標は、時代と共に単に省エネ性能が高くなっていくだけではなく、駆け込み需要にも大きく影響を与えます。
また、新築住宅ならまだしも、ストック住宅においては石綿規制に関する法律の理解も必要になってきます。
在住ビジネスにおいても今年に入ってから、LED交換工事や店舗関係のビルトインエアコンの交換工事などの石綿事前調査の問合せが大変増えてきました。
2027年度にはGX ZEHの適用が開始することで、省エネ計算業も作業手間も増えることでしょう。
在住ビジネスでは、省エネ計算業務から石綿事前調査まで、様々な業務サポートを行っていますので、是非お問い合わせください。
※法人(住宅事業者)向けのサービスになります。個人のお客様は住宅施工業者様経由にてお問い合わせいただきますようお願い申し上げます。
