これから家を建てる方にとって、住宅の「断熱性能」は住み心地や光熱費を左右する極めて重要な要素です。2022年に新設された断熱等性能等級6(以下、断熱等級6)は、これからのスタンダードとなる高性能住宅の指標として注目を集めています。
本記事では、断熱等級6の具体的な基準値(UA値)から、等級5や7との違いなどを解説します。これから目指すべき断熱性能について、一緒に考えていきましょう。
そして2025年からは建築物省エネ法の改正により住宅や小規模非住宅も省エネ基準への適合が義務化されました。住宅事業者の皆様におかれましては、省エネ計算にお困りではないですか?在住ビジネスでは省エネ計算・申請業務をサポートさせていただきます。お困りのことがありましたら資料請求またはお問い合わせください。
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目次
断熱等級6の基準とUA値の定義
断熱等性能等級6とは、住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)で定められた、建物の断熱性能を示す指標の一つです。2025年に適合義務化された等級4や、現行のZEH基準である等級5を大きく上回る性能を誇ります。
地域区分別のUA値基準表
断熱性能を測る指標として用いられるのがUA値(外皮平均熱貫流率)です。この数値が小さいほど、熱が逃げにくい「高断熱な家」であることを示します。日本は気候によって1〜8の地域区分に分けられており、断熱等級6を満たすためのUA値は以下の通りです。
| 地域区分 | 代表的なエリア | 断熱等級6のUA値基準 |
|---|---|---|
| 1・2・3地域 | 北海道、青森、岩手など | 0.28 |
| 4地域 | 宮城、山形など | 0.34 |
| 5地域 | 栃木、群馬など | 0.41 |
| 6・7地域 | 東京、大阪、福岡など | 0.46 |
| 8地域 | 沖縄など | 規定なし(日射遮蔽が主) |
参考:https://www.mlit.go.jp/shoene-label/insulation.html
等級5や等級7との性能差
断熱等級6を検討する際、前後の等級との違いを把握しておくことが重要です。今回は東京などの大都市に当てはまることの多い、6地域について比較していきます。
- 断熱等級4(2025年適合義務化)
6地域でのUA値基準は0.87です。2022年に断熱等級5以上が新設されるまでは、この断熱等級4が最高等級でした。 - 断熱等級5(ZEH基準)
6地域でのUA値基準は0.6です。等級6と比較すると断熱材の厚みや窓の性能に明確な差が出ます。 - 断熱等級7
6地域でのUA値基準は0.26と極めて厳しく、国内最高峰の性能です。ただしその分、施工コストもかさみます。
断熱等級6のメリットと住み心地
断熱等級6の最大の魅力は、数値上の省エネ性能だけでなく、「住み心地の良さ」にあります。
住みやすさを表す指標「HEAT20」
HEAT20は、国とは別に民間団体が提唱している断熱性能の評価指標です。ただ単にUA値を満たすだけでなく、地域ごとに定められた4つの基準をクリアしなければなりません。
3つのグレードに分かれていますが、ここでは「冬期最低室温」と「UA値(6地域)」についてみてみましょう。
| グレード | 目安 | UA値(6地域の場合) | 断熱等級との比較 |
|---|---|---|---|
| G1 | おおむね10~13度を下回らない | 0.56 | 断熱等級5 程度 |
| G2 | おおむね13~15度を下回らない | 0.46 | 断熱等級6 程度 |
| G3 | おおむね15~16度を下回らない | 0.26 | 断熱等級7 程度 |
参考:https://www.heat20.jp/grade
「おおむね〇度を下回らない」の温度の指標は地域によって異なりますが、G1よりG2、G2よりG3のほうが快適に過ごせる環境であることが分かります。
断熱等級6のメリット
HEAT20の指標からみても、断熱等級6を満たしていれば省エネ性能に優れた住宅であることが分かります。メリットとしては以下のようなものが挙げられるでしょう。
- 光熱費の節約
エアコンの効きが早く、冷気・暖気も逃げにくいため、光熱費の節約につながります。 - 部屋間の温度差が少ない
リビングと廊下、脱衣所などの温度差が小さくなるため、ヒートショックの予防に貢献します。 - 補助金をもらえる場合がある
断熱等級6を満たしていることで受け取れる可能性がある補助金もあります。例えば、断熱等級以外にもさまざま要件を満たしていれば「みらいエコ住宅2026事業」による補助金が受けられます。このほかにも国・自治体で様々な取り組みがあるようですので、詳しくは管轄の窓口にお問い合わせください。
求められる断熱等級の変遷
現在は断熱等級4が適合すべき最低基準ですが、今後、さらに基準の引き上げが予定されています。これらはカーボンニュートラルを目指すための動きで、省エネ性能の高さはますます求められていきます。
2022年:断熱等級5~7の創設
それまで、断熱等級4が最高だったのに対し、2022年4月に断熱等級5、同年10月に断熱等級6・7が創設されました。
2025年:建築物省エネ法 改正
建築物省エネ法の改正により、断熱等級4以上を満たすことが義務付けられました。つまり、法改正以降は断熱等級1~3の家は建てられなくなった、ということです。
2030年:断熱等級5 義務化予定
2030年にはさらに基準が引き上げられ、現状のZEH基準である断熱等級5が最低基準となります。つまり、現状のZEH住宅が「当たり前」になる時代が来るということです。
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近年、段階的に引き上げられている断熱性能基準。このほかにも建築基準法改正、建設業法改正など、建築業界を巡る環境はどんどん変化しています。
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まとめ
断熱等級6は、これからの日本の住宅において「快適で経済的な暮らし」を実現するための基準ともいえます。冬の寒さや夏の暑さ和らげ、健康的な生活を支えてくれます。建築コストは上昇しますが、今後スタンダードな仕様になっていくことを考えると、非常に価値のある投資と言えるでしょう。
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