コラム

建築業界の一般的なお役立ち参考情報を掲載させていただいております。
掲載内容と異なるケースもございますので、関係機関等からの情報も併せてご確認いただければと思います。

地盤調査の種類と費用・方法を比較!やり方も解説

目次

「そもそも地盤調査って何?」
「どんな種類があって、何が違うの?」

専門的な言葉に、少し戸惑いや不安を感じていらっしゃるかもしれません。また、普段地盤調査を依頼している業者の方々でも、どんな地盤調査方法が適しているのか判断に迷う場合もあるのではないでしょうか。

地盤調査は、あらゆる建物を建てる上で非常に重要な第一歩です。

この記事では、建築の専門知識がない方でも、普段地盤調査を依頼する業者の方でも、地盤調査について分かるように以下の内容を解説します。

  • 主要な地盤調査の特徴の比較
  • そもそも地盤調査がなぜ必要なのか
  • 調査後の流れや報告書のチェックポイント
  • 地盤調査に関するよくある質問

この記事を最後まで読めば、地盤調査の種類ごとの違いや特徴が分かります。しっかりと理解した上で、納得して家づくりを進められるようになるでしょう。

在住ビジネスでは様々な地盤調査方法を全国対応にて承っております。
地盤関連業務についての資料請求お問い合わせもお気軽に!

※法人(住宅事業者)向けのサービスになります。個人のお客様は住宅施工業者様経由にてお問い合わせいただきますようお願い申し上げます。

地盤調査の種類別費用相場と方法の比較一覧表

まずは、主に行われる5つの地盤調査について、その違いがひと目で分かるように比較表にまとめました。

調査の種類費用調査方法の概要メリットデメリット
スクリューウェイト貫入試験(SWS試験)比較的安価先端がキリ状の鉄の棒(スクリューポイント)を回転させながら地面に貫入させ、地盤の硬さを測定する。・費用が安い
・調査期間が短い
・狭い土地でも調査可能
・硬すぎる地盤や深い層の調査は困難
・土の種類(土質)は推定しかできない
表面波探査法SWS試験よりは高価な場合が多い地面に人工的な振動(表面波)を起こし、その波が伝わる速さから地盤の硬さを測定する。・土地を傷つけない
・調査期間が短い
・SWS試験では困難な硬い地盤も評価可能
・深い層の精度はボーリング調査に劣る
・土質は直接確認できない
ボーリング調査(標準貫入試験)比較的高価地面に円筒状の穴を掘り、ハンマーを落下させて地盤の硬さを測定。土のサンプルも採取できる。・非常に精度が高い
・土質を直接確認できる
・深い層まで調査可能
・費用が高い
・調査期間が長い
・広い作業スペースが必要
ラムサウンディング試験ボーリング調査よりは安価な場合が多い自動的に落下を繰り返すハンマーで打撃し、地盤の固さを特定。・ボーリング調査とほぼ同等の結果が得られる・土質採取は基本的にしない
平板載荷試験SWS試験よりは高価な場合が多い直径30cmの載荷板に荷重を与え、地盤の支持力を調べる。・調査時間が短い・地盤の特定の箇所の比較的浅い部分までの支持力しか調査できない

一般的な戸建て住宅では、「スクリューウェイト貫入試験(SWS試験)」が最も多く採用されています。ただし、住宅会社によって表面波探査法を行う場合や、状況によってはボーリング調査等ほかの調査方法を採用する場合もあります。

また、戸建住宅以外の規模の大きな建物では、ボーリング調査を行うことが一般的でしょう。

それぞれの調査方法について、もう少し詳しく見ていきます。

スクリューウェイト貫入試験(SWS試験)

戸建て住宅の地盤調査で最も一般的な方法です。費用が安く、半日~1日程度で調査が完了するため、多くのハウスメーカーや工務店で採用されています。地盤の硬さを測るのに適していますが、土そのものを採取するわけではないため、土の種類は音や感触から推定します。

在住ビジネスでもスクリューウェイト貫入試験(SWS試験)全国年間約1万棟実施しており、頻繁に用いられている調査方法です。詳しくはフォームよりお問い合わせください。

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写真提供:株式会社アースリレーションズ

表面波探査法

地面を掘らずに調査できるのが最大の特徴です。地面に振動を与え、その伝わり方で地盤の硬さを評価します。SWS試験では調査が難しい硬い地盤や、ガラ(コンクリート片など)が埋まっている土地でも調査しやすいというメリットがあります。しかし、現地状況によっては測定が不可能な場合があったり、地盤補強工事が必要と判断された場合には再度別の調査方法での調査が必要になる場合があります。

ボーリング調査(標準貫入試験)

マンションやビルなど、大規模な建物を建てる際に用いられる、非常に精度の高い調査方法です。地面を深く掘り進めながら、地盤の硬さを測定し、同時に土のサンプル(土質試料)を採取できます。そのため、地盤の状況を詳細に把握できますが、その分費用と時間がかかります。

在住ビジネスでもボーリング調査(標準貫入試験)を承っております。全国対応可能ですので、詳しくはフォームよりお問い合わせください。

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写真提供:株式会社アースリレーションズ

ラムサウンディング試験

動的コーン貫入試験に分類され、支持層確認や杭設計のために行われたりします。ボーリング調査よりは安価に済む場合が多いですが、あまりに深い層(目安として20m以深)は計測できない場合があります。

ラムサウンディング試験も在住ビジネスにて対応可能です。全国対応可能ですので、詳しくはフォームよりお問い合わせください。

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写真提供:株式会社アースリレーションズ

平板載荷試験

直径30cmの載荷板に荷重を与え、この荷重の大きさと載荷板の沈下との関係から地盤の変形や強さなど支持力特性を調べるための試験です。住宅の地盤調査に使われることはほとんどありません。例えば、擁壁下の地盤にどのくらい耐力があるか調査する際などに用いられます。

平板載荷試験は在住ビジネスでも承っております。全国どこでも対応可能ですので、詳しくはフォームよりお問い合わせください。

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写真提供:株式会社アースリレーションズ

地盤調査が必要な理由

そもそも、なぜ地盤調査が必要なのでしょうか。その理由は、大きく分けて3つあります。

建物の安全性を左右する重要な検査

家を支えるのは基礎ですが、その基礎を支えているのは地面、つまり「地盤」です。もし軟弱な地盤の上に家を建ててしまうと、建物の重みで地面が沈み、家が傾いてしまう「不同沈下(ふどうちんか)」が起こる危険性があります。

不同沈下が起こると、

  • ドアや窓の開閉がしにくくなる
  • 基礎にひび割れが入る
  • 床が傾き、めまいや頭痛の原因になる
  • 最悪の場合、建物の構造にダメージが及び、住み続けられなくなる

といった深刻な問題につながります。地盤調査は、このようなリスクを未然に防ぎ、家族が安全に暮らせる家を建てるために不可欠な検査なのです。

法律で定められた事実上の義務

2000年に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」により、住宅供給者(ハウスメーカーや工務店)は、新築住宅の構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分について、引き渡しから10年間の瑕疵(かし)担保責任を負うことが義務付けられました。

もし地盤沈下で家に損害が出た場合、住宅供給者がその補修費用を負担しなければなりません。このリスクを避けるため、現在では家を建てる前に地盤調査を行い、必要に応じて地盤改良工事を行うことが事実上義務化されています。

具体的な判例はこちらのページ下部の「不同沈下事故の判例」をご覧ください。

地盤調査と地質調査の違い

よく似た言葉に「地質調査」がありますが、目的が少し異なります。

  • 地盤調査とは
    主に「その土地が建物を安全に支えられるか(地耐力)」を調べる調査です。
  • 地質調査とは
    その土地がどのようにしてできたのか、どのような地層で構成されているかなど、地面の中の構造を広範囲に調べる調査です。

家を建てる目的で行われるのは、主に建物の安全に関わる「地盤調査」だと覚えておきましょう。

地盤調査後の流れと報告書の確認方法

地盤調査が終わると、「地盤調査報告書」が提出されます。SWS試験の場合であれば、測定データだけでなく地盤に対しての考察、地盤補強工事の要・不要について記載されている場合が多いです。

結果が悪い場合の地盤補強工事(地盤改良工事)とは

もし地盤調査の結果、「地盤が軟弱で、建物を安全に支えられない」と判断された場合は、地盤を人工的に補強する「地盤補強工事(地盤改良工事)」が必要になります。

「工事」と聞くと不安になるかもしれませんが、これは弱い地盤を安全な状態にして、安心して家を建てるための前向きな対策です。日本の住宅地は、元々が田んぼや沼地だった場所も多く、地盤改良工事が行われることは決して珍しいことではありません。

例:地盤補強工事(柱状改良)

ここで認識を間違えないでほしいのは、地盤が強いのか弱いのかは、その土地にどういった建築物を建てるかによって判断分かれるということです。
例えば「10階建てのマンションを建てるにしては地盤は弱いが、2階建ての住宅を建てる程度なら地盤は強い」と言えばわかりやすいかと思います。弱い地盤と判断された土地でも建築計画によっては強い地盤になることもあるという事を理解しておきましょう。

  • 「地盤補強工事が必要と言われたが、本当に必要か第三者の意見を聞きたい
  • 「地盤補強工事の見積もりをもらったが、予算が合わない。安価な他の工法は無いか。

在住ビジネスでは、こういったセカンドオピニオンのようなお問い合わせも多くいただいております。もし地盤に関してお困りのことがございましたら、在住ビジネスまでお問い合わせください。

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地盤調査に関するよくある質問

最後に、地盤調査に関して多くの方が抱く疑問にお答えします。

土地購入前に地盤調査はできる?

原則として、土地の所有者の許可なく地盤調査を行うことはできません。 そのため、土地の売買契約を結び、所有権が自分に移ってから調査を行うのが一般的です。ただし、売主の許可が得られれば、契約前に調査できるケースもあります。「地盤調査の結果、改良工事が必要になった場合は契約を白紙撤回できる」といった特約を付けて契約することもありますので、不動産会社に相談してみましょう。

まとめ

今回は、注文住宅を建てる上で欠かせない「地盤調査」について、種類や費用、方法を詳しく解説しました。

最後に、この記事の重要なポイントを振り返ります。

  • 地盤調査は、不同沈下を防ぎ、安全に過ごせる建物を建てるために不可欠な検査
  • 一概に「地盤調査」といっても様々な調査方法がある。
  • 戸建住宅では、費用と期間のバランスから「スクリューウェイト貫入試験(SWS試験)」が最も一般的
  • 調査結果によっては、地盤を補強する「地盤補強工事」が必要になることもある

地盤調査は、目に見えない地面の中の状態を可視化する、建築において重要なプロセスです。この記事をもとに、業者としっかりとコミュニケーションを取り、安全な建物を建築しましょう。

在住ビジネスでは様々な地盤調査方法全国対応にて承っております。また、地盤補強工事のご相談も大歓迎です!地盤についてご不安なことがございましたら、在住ビジネスまでお問い合わせください。

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