コラム

建築業界の一般的なお役立ち参考情報を掲載させていただいております。
掲載内容と異なるケースもございますので、関係機関等からの情報も併せてご確認いただければと思います。

地震の二次災害と対策について|火災や停電から身を守る方法

目次

最近の地震のニュースを見て、「もし自分の身に起こったら…」と不安に感じていませんか?地震の恐ろしさは、揺れそのものだけではありません。本当に注意すべきは、その後に連鎖して発生する「二次災害」です。

この記事では、地震の二次災害とは何か、一次災害との違いから、具体的な災害の種類、そして今日からできる対策までを分かりやすく解説します。あなたとあなたの大切な家族の命を守るために、ぜひ最後までお読みください。

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地震の二次災害とは?一次災害との違い

地震による被害を考えるとき、「一次災害」と「二次災害」を正しく理解しておくことが重要です。この2つの違いを知ることで、本当に必要な備えが見えてきます。

一次災害 地震の揺れによる直接的な被害

一次災害とは、地震の強い揺れそのものによって、直接引き起こされる被害のことです。具体的には、以下のようなものが挙げられます。

  • 建物の倒壊・損壊
  • 地割れ、地面の隆起・沈降
  • 道路や橋、鉄道などのインフラの破壊
  • 家具や家電の転倒・落下によるケガ

これらは地震発生の瞬間に起こる、直接的な被害を指します。

二次災害 地震の後に連鎖して起こる被害

二次災害とは、一次災害が引き金となり、時間差で連鎖的に発生する被害のことです。地震の揺れが収まった後にも危険は続きます。むしろ、二次災害の方が被害が拡大し、多くの人命を脅かすケースも少なくありません。

津波や火災、ライフラインの寸断などが代表例で、私たちの生活に深刻かつ長期的な影響を及ぼすのが特徴です。

一次災害を予防するために

地震の揺れで建物が倒壊するのを防ぐためには、「wallstat」による検証が有効です。wallstatとは、パソコン上で振動台実験を再現できるソフトです。右の動画をご覧いただくとイメージしていただきやすいかと思います。

在住ビジネスでは、このwallstatでの入力・検証代行を承っております。また、さらなる安心として地震建替え保証も承っております。詳細は以下よりご確認・お問い合わせください。

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地震による二次災害一覧【時間軸で見る危険】

二次災害は、地震発生からの時間経過によって、発生するリスクが変化します。ここでは「発災直後」「数時間〜数日後」「避難生活中」の3つの時間軸に分けて、起こりうる二次災害の一覧を見ていきましょう。

発災直後に起こる二次災害

地震の揺れが収まった直後、まず警戒すべき二次災害です。

津波

  • 概要
    海底で大きな地震が発生すると、海底の地形が変動し、それが海水を大きく動かすことで発生します。津波は非常に速いスピードで陸地に押し寄せ、すさまじい破壊力で建物や人を飲み込みます。
  • 危険性
    沿岸部にいる場合は、揺れを感じたらすぐに高台へ避難することが鉄則です。警報や注意報が発表されてからでは間に合わない可能性があります。

建物の倒壊・家具の転倒

  • 概要
    本震の揺れで損傷した建物が、その後の余震で倒壊する危険性があります。また、固定していない家具や家電が転倒・落下し、ケガの原因や避難経路を塞ぐことがあります。
  • 危険性
    揺れが収まっても、すぐに建物から飛び出すのは危険です。まずは丈夫な机の下などで身を守り、周囲の状況を確認してから行動しましょう。

土砂災害(崖崩れ・地すべり)

  • 概要
    地震の揺れによって地盤が緩み、崖崩れや地すべり、土石流が発生しやすくなります。特に、雨が降っている場合や、雨が降った後には危険性がさらに高まります。
  • 危険性
    山間部や崖の近くにいる場合は、速やかに安全な場所へ避難が必要です。自治体のハザードマップで、自宅周辺の危険箇所をあらかじめ確認しておきましょう。

数時間〜数日後に起こる二次災害

地震発生から少し時間が経ってから、被害が顕在化してくる二次災害です。

火災(通電火災・延焼)

  • 概要
    地震の揺れで転倒したストーブや、損傷したガス管からのガス漏れが原因で火災が発生します。また、停電復旧時にショートして起こる「通電火災」は、避難して誰もいない家で発生するため特に危険です。
  • 危険性
    木造住宅が密集する地域では、一軒の火災が大規模な延焼につながる恐れがあります。避難する際は必ずブレーカーを落とす習慣をつけましょう。

ライフラインの寸断

  • 概要
    電気、ガス、水道、通信といった生活に不可欠なインフラが停止します。復旧には数日から数週間、大規模な災害では数ヶ月以上かかることもあります。
  • 危険性
    停電による情報収集の困難、断水によるトイレの問題や衛生環境の悪化、ガスの停止による調理不可など、生活全般に深刻な影響が出ます。

液状化現象

  • 概要
    水分を多く含んだ砂質の地盤が、地震の揺れによって液体のようになる現象です。これにより、建物が傾いたり、マンホールが浮き上がったり、地面から水や砂が噴き出したりします。
  • 危険性
    直接的な人命への危険は少ないですが、家屋や道路、ライフラインに大きな被害をもたらし、その後の生活再建を困難にします。


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そんな場合は在住ビジネスにお問い合わせください。家の傾きを直す「沈下修正工事」を全国対応で承っております。

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避難生活中に起こる二次災害

避難所や自宅での避難生活が長引くにつれて、新たなリスクが生まれます。

感染症の蔓延

  • 概要
    断水による手洗いの不足や、避難所での密集した生活、トイレの衛生環境の悪化などから、インフルエンザやノロウイルス、食中毒などの感染症が広がりやすくなります。
  • 危険性
    体力が落ちている被災者にとって、感染症は重症化のリスクを高めます。こまめな手洗いやマスクの着用、十分な換気が重要です。

エコノミークラス症候群

  • 概要
    車中泊や避難所で長時間同じ姿勢でいることで、足の血流が悪くなり血の塊(血栓)ができ、その血栓が肺の血管に詰まってしまう病気です。正式名称を「急性肺血栓塞栓症」といいます。
  • 危険性
    胸の痛みや呼吸困難を引き起こし、最悪の場合は死に至ることもあります。定期的な水分補給と、足の運動が予防の鍵です。

食料・水の不足

  • 概要
    物流の停止や買い占めにより、食料や飲料水が手に入りにくくなります。公的な支援物資が届くまでには時間がかかる場合があります。
  • 危険性
    栄養不足や脱水症状は、体力の低下や持病の悪化につながります。最低でも3日分、できれば1週間分の家庭備蓄が推奨されています。

特に注意すべき二次災害と過去の事例

ここでは、過去の震災で大きな被害をもたらした、特に注意すべき二次災害を事例とともに見ていきましょう。

津波による甚大な被害(東日本大震災)

2011年の東日本大震災では、死者・行方不明者のうち9割以上が津波により犠牲となりました。津波は沿岸の町を根こそぎ破壊し、原子力発電所の事故という未曾有の複合災害を引き起こしました。この事例は、沿岸部では「揺れたら、即避難」がいかに重要かを物語っています。
(参考:消防庁「東日本大震災関連情報」

通電火災・大規模延焼の危険性

1995年の阪神・淡路大震災では、地震による火災で亡くなった方が多数いました。その多くが、停電復旧時に発生する「通電火災」や、初期消火の遅れによる延焼が原因とされています。首都直下地震が起きた場合も、木造住宅密集地域を中心に大規模な火災旋風が発生する危険性が指摘されています。

ライフライン寸断による生活への影響

地震が発生すると、電気・ガス・水道などのライフラインが長期間にわたって停止する可能性があります。東日本大震災や熊本地震では、ライフラインの寸断により、多くの被災者が不便で過酷な避難生活を強いられました。特に、冬場の停電は暖房が使えず、低体温症のリスクを高めます

避難所での感染症や健康問題

避難所での集団生活は、プライバシーの確保が難しく、ストレスも溜まりがちです。熊本地震では、車中泊を続けた人がエコノミークラス症候群を発症するケースが相次ぎました。また、衛生環境の悪化から感染症が広がるリスクも常にあります。避難生活における健康維持も、二次災害対策の重要な一部です。

ちなみに、地震への備えとして「地震保険」が知られていますが、在住ビジネスではwallstatで検証した住宅に「地震建替え保証」を付けることを推奨しています。
もしもの時の被災時の生活費用と住まいの建替え費用の備えをお勧めします。

家庭でできる二次災害への対策と備え

二次災害の被害を最小限に抑えるためには、日頃からの備えが何よりも大切です。今日から始められる具体的な対策を紹介します。

家具の固定と安全な部屋づくり

  • 家具の固定
    タンスや食器棚、本棚、冷蔵庫など、背の高い家具はL字金具や突っ張り棒で壁にしっかりと固定しましょう。寝室には、できるだけ背の高い家具を置かないのが理想です。
  • ガラスの飛散防止
    食器棚や窓ガラスには、飛散防止フィルムを貼っておくと、割れたガラスでケガをするリスクを減らせます。
  • 安全なスペースの確保
    家の中に「安全なスペース」を作っておくことが重要です。家具が倒れてこない、物が落ちてこない場所を意識して確保しましょう。

感震ブレーカーの設置で通電火災を防止

感震ブレーカーとは、設定以上の揺れを感知すると自動的に電気の供給を遮断する装置です。不在時やブレーカーを落とす余裕がない場合に、通電火災を防ぐ非常に有効な対策です。分電盤に内蔵するタイプや、コンセントに差し込む簡易的なタイプなどがあります。
(参考:消防庁「感震ブレーカーの普及啓発」

最低3日分からの備蓄品リスト

ライフラインが止まっても自力で生活できるよう、最低3日分、大規模災害に備えて7日分の備蓄を準備しておきましょう。以下は一例ですが、準備しておくとよいものを記載します。


  • 1人1日3リットルを目安に。飲料水とは別に、トイレなどを流すための生活用水(お風呂の残り湯など)も確保しておくと安心です。
  • 食料
    レトルトご飯、缶詰、カップ麺、栄養補助食品など、調理不要で食べられるものを中心に。
  • 簡易トイレ・トイレットペーパー
    断水時に最も困るのがトイレです。携帯トイレは重要なアイテムです。
  • 情報収集ツール
    携帯ラジオ、モバイルバッテリー、乾電池。
  • 衛生用品
    ウェットティッシュ、消毒用アルコール、マスク、常備薬。
  • その他
    懐中電灯、カセットコンロ、軍手、現金(小銭も)。

家族との避難計画と連絡方法の確認

  • 避難場所・避難経路の確認
    自治体が指定する避難場所や、そこまでの安全な経路を家族全員で確認しておきましょう。ハザードマップで自宅周辺のリスクを把握しておくことも大切です。
  • 連絡方法の確認
    災害時は電話が繋がりにくくなります。災害用伝言ダイヤル(171)や災害用伝言板(web171)の使い方を事前に確認し、安否確認の方法を家族で決めておきましょう。

地震発生時の二次災害を防ぐ行動指針

万が一、地震が発生してしまった場合、パニックにならず冷静に行動することが二次災害を防ぎます。まずは頭を守る・頑丈なテーブルの下に隠れるなど、身の安全を確保しましょう。

揺れが収まったら火の元の確認、そして避難前にはブレーカーを落とすようにしましょう。ブレーカーを落とさずに避難してしまうと、通電火災になる恐れがあります。ガスの元栓を閉めておくとより安心です。

また、災害時には様々な情報が拡散されます。パニックを助長するような情報に惑わされず、テレビ、ラジオ、自治体の公式サイトなど、信頼できる情報源から最新の情報を入手するよう心がけましょう。

地震二次災害に関するよくある質問

エコノミークラス症候群の予防法は?

A. 定期的な水分補給と運動が最も効果的です。
1〜2時間おきに軽いストレッチや足踏み運動を行い、足の筋肉を動かしましょう。ふくらはぎを軽くもむのも効果的です。また、喉が渇いていなくても、こまめに水分を摂ることを心がけてください。

津波からの避難のタイミングは?

A. 「強い揺れを感じた」または「津波警報・注意報が出た」時点ですぐに避難を開始してください。
沿岸部や川沿いにいる場合は、揺れが小さくても津波の可能性があります。「警報が出てから」「周りが避難し始めてから」では手遅れになることがあります。「より遠く」よりも「より高く」を目指し、ためらわずに避難行動をとることが命を守ります。

まとめ

地震の被害は、揺れそのものである一次災害だけでなく、その後に連鎖して起こる二次災害がいかに深刻であるかをご理解いただけたでしょうか。

  • 一次災害とは地震の揺れによる直接的な被害、二次災害とは、地震をきっかけに発生する連鎖的な被害
  • 被害は時間経過とともに変化し、避難生活中にも新たなリスクが生まれる
  • 二次災害を防ぐには「家具の固定」「感震ブレーカー」「備蓄」「避難計画」など事前の備えが不可欠
  • 発災時は「まず身の安全確保」「火の元確認」「ブレーカーOFF」を徹底する

二次災害は、正しい知識と事前の備えがあれば、被害を大きく減らすことができます。

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