「南海トラフ巨大地震がいつか来る」と聞き、漠然とした不安を感じていませんか?
「次の地震はいつ頃なのか?」「過去にはどんな被害があったんだろう?」
こうした疑問を解消するためには、まず南海トラフで過去に起きた地震の歴史を知ることが重要です。過去の記録は、私たちが未来の災害に備えるための貴重な教訓となります。
この記事では、南海トラフで過去に発生した巨大地震の一覧(年表)から、主要な地震の被害、そして約100〜150年とされる発生周期まで解説します。
この記事を読めば、南海トラフ地震の歴史的背景が理解でき、具体的な防災対策を始めるきっかけになるはずです。

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目次
過去の南海トラフ巨大地震一覧【年表】
南海トラフ沿いでは、過去に何度も巨大地震が繰り返されてきました。まずは、現在までに記録が残っている主要な地震を年表形式で見ていきましょう。
白鳳地震から昭和南海地震までの発生記録
歴史的な文献や地質調査から、約100年から150年の間隔で巨大地震が発生してきたことが分かっています。以下は、その主な発生記録をまとめたものです。
| 発生年(西暦) | 地震の名称 | マグニチュード(M) | 
|---|---|---|
| 684年 | 白鳳地震 | M8.0〜8.3 | 
| 887年 | 仁和地震 | M8.0〜8.3 | 
| 1096年 | 永長東海地震 | M8.0〜8.5 | 
| 1099年 | 康和南海地震 | M8.0〜8.3 | 
| 1361年 | 正平(康安)地震 | M8.2〜8.5 | 
| 1498年 | 明応地震 | M8.2〜8.4 | 
| 1605年 | 慶長地震 | M7.9 | 
| 1707年 | 宝永地震 | M8.6 | 
| 1854年 | 安政東海地震 | M8.4 | 
| 1854年 | 安政南海地震 | M8.4 | 
| 1944年 | 昭和東南海地震 | M7.9 | 
| 1946年 | 昭和南海地震 | M8.0 | 
津波の有無と主な被害記録
南海トラフで発生する地震は、そのほとんどが大きな津波を伴います。過去の地震でも、津波によって甚大な被害がもたらされました。
- 白鳳地震(684年)
 『日本書紀』に記録が残る最古の南海トラフ地震。土佐(現在の高知県)で田畑が約10k㎡も海に沈んだとされています。
- 宝永地震(1707年)
 記録上、過去最大の地震。東海から四国の沿岸に巨大な津波が襲来し、土佐では流出家屋が10,000棟以上あったとされています。
- 安政東海・南海地震(1854年)
 2つの地震が30時間差で発生しました。この時の逸話が「稲むらの火」のモデルとなりました。
- 昭和南海地震(1946年)
 房総半島から九州までの広い地域にわたって津波被害が大きく、場所によっては4m〜7mの津波が観測されました。
南海トラフ地震の発生周期と歴史的傾向
過去の地震の記録を分析すると、いくつかの重要な傾向が見えてきます。
約100年〜150年の発生間隔
過去の発生記録を見ると、南海トラフの巨大地震はおおむね100年から150年の周期で繰り返し発生しています。
ただし、この間隔にはばらつきがあり、最短で約90年、最長で200年以上空いた期間もあります。あくまで平均的な目安であり、「100年経っていないから安心」とは言えない点に注意が必要です。
震源域が連動・時間差で発生するパターン
南海トラフ地震は、一度の地震で広大な震源域のすべてが動くとは限りません。過去の歴史が示すように、発生パターンは主に3つに分けられます。
- 同時発生型(宝永地震など)
 東海・東南海・南海の領域がほぼ同時に破壊されるパターン。被害は最も広範囲かつ甚大になります。
- 時間差発生型(安政地震、昭和地震など)
 震源域の一部(半割れ)がまず動き、短い期間(数時間〜数年)を置いて残りの領域が動くパターン。
- 一部のみ発生型
 震源域の一部だけが単独で動くパターン。
もし「半割れ」が起きた場合、残りの領域でも近いうちに巨大地震が発生する可能性が極めて高くなるため、警戒が必要です。
前回の地震からの経過年数と今後の発生確率
前回の南海トラフ巨大地震である昭和南海地震(1946年)から、すでに80年近くが経過しています。
これは、過去の発生周期に照らし合わせると、すでに地震の活動期に入っていることを意味します。政府の地震調査研究推進本部は2025年10月、それまで南海トラフ巨大地震が今後30年以内に発生する確率を「80%程度」から「60~90%程度以上」に見直しました。また、別のモデルで計算した「20~50%」という数値も併せて発表しております。
詳細は以下の参考のリンクからご確認いただければと思いますが、ひとつの地震に対して発生確率がふたつ発表されることは稀です。しかし数値の変更はあったものの、「高い方の確率値(60%~90%程度以上)を念頭に行動していただきたい」とされておりますので、数値に左右されずにしっかり地震に備えておくことが非常に重要です。
(参考:地震調査研究推進本部 「南海トラフで発生する地震」)
過去の記録から学ぶ今後の地震への備え
南海トラフ地震の過去を知ることは、未来への備えの第一歩です。過去の甚大な被害を教訓に、今日からできる対策を始めましょう。
ハザードマップで自宅の浸水リスクを確認
まずは、お住まいの自治体が公表しているハザードマップを確認しましょう。過去の津波被害を踏まえ、自宅や職場が津波浸水想定区域に入っているか、避難場所はどこかを確認することが命を守る行動に繋がります。
家具の固定と配置の見直し
過去の地震では、家屋の倒壊や家具の転倒によって多くの人が犠牲になりました。L字金具などで家具を壁に固定することは、非常に有効な対策です。また、寝室など、就寝する場所には背の高い家具を置かないといった配置の見直しも重要です。
家族との避難場所・連絡方法の共有
災害は、家族が一緒にいる時に起こるとは限りません。いざという時に離れ離れになっても安否確認ができるよう、事前に避難場所や連絡方法を話し合っておきましょう。
- 避難場所
 津波の危険がある地域なら「高台」、揺れによる倒壊が心配なら「広域避難場所」など、複数のパターンを想定しておくと安心です。
- 連絡方法
 災害用伝言ダイヤル(171)や災害用伝言板(web171)の使い方を確認しておくことをおすすめします。
【住宅建築予定の方】wallstatや保証の活用
wallstatでの検証
これから住宅を建築する場合は、wallstatでの検証も有効です。wallstatとは、パソコン上で振動台実験を再現できる【耐震性能を見える化】したソフトです。右の動画をご覧いただくと分かりやすいかと思います。
こちらのwallstat、誰でもダウンロード可能で非常に有効なソフトですが、データの入力には知識や操作への慣れが必要です。そのため、在住ビジネスではwallstatの入力・検証代行を承っております。検証後は損傷が大きかった部分の改善提案までさせていただきます。
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地震建替え保証に加入
「地震保険」はよく耳にするかと思います。いざというときのために加入しておくと安心でしょう。
そして近年、地震保険とは異なる「地震建替え保証」も登場しています。こちらは地震保険とは別物で、地震で建物が倒壊してしまった場合に建替えを保証するものです。
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南海トラフの過去に関するよくある質問
ここでは、南海トラフの過去の地震に関してよく寄せられる質問にお答えします。
Q. 過去に何回発生していますか?
A. 確実な歴史記録としては、684年の白鳳地震から1946年の昭和南海地震まで、10回以上の巨大地震が確認されています。
地質調査などを含めると、さらに多くの地震が過去に発生していたと考えられており、南海トラフが周期的に活動してきたことが分かります。
Q. 前回の南海トラフ地震はいつですか?
A. 1946年(昭和21年)12月21日に発生した「昭和南海地震(M8.0)」が直近の巨大地震です。
その2年前の1944年には「昭和東南海地震(M7.9)」も発生しており、この2つを合わせて「昭和の南海トラフ地震」と捉えるのが一般的です。
Q. 過去の震源地はどこですか?
A. 震源域は、静岡県の駿河湾から宮崎県沖の日向灘まで、帯状に広がっています。
過去の地震では、この広大な震源域が一度に動いたり(宝永地震)、半分ずつ時間差で動いたり(安政地震、昭和地震)と、地震ごとに破壊される場所が異なっています。
まとめ
この記事では、南海トラフで過去に発生した巨大地震の歴史、周期、そして被害の記録について解説しました。
- 南海トラフでは、約100年〜150年の周期で巨大地震が繰り返し発生してきた。
- 過去には、M8.6という巨大な地震や、甚大な津波被害の記録が残っている。
- 前回の地震から約80年が経過し、次の地震の発生が切迫している状況。
- 過去の地震は、一度にすべてが動くパターンと、時間差で動くパターンがある。
過去の記録は、南海トラフ地震が決して遠い未来の話ではなく、私たちの世代で起こりうる現実的な脅威であることを示しています。漠然とした不安を具体的な備えに変えるため、ぜひ今日の情報を行動に移してみてください。
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