コラム

「地震保険」と「地震建替え保証」の違いを理解しよう

2025年3月31日に南海トラフ地震における「新」被害想定が公表されました。
想定死者数は、前回(2012・2013年)までの32万3,000人から29万8,000人となり、約8%程度の減少にとどまりました。また、建物の全壊・焼失棟数においても、238万6,000棟から235万棟のわずかな減少にとどまる結果となりました。
前回想定してから10年以上が経過しても、被害を抑える対策が進んでいるように見えないのは、何故でしょう。
これは、南海トラフが九州から中四国、東海エリアの太平洋側沿岸の広域に渡るため、津波による被害が大半を占めるためと言われております。
死者数のうち、70%以上の21万5,000人が津波によるものとなっています。
また、「防災意識が低い」最悪の場合の想定で試算した数値のようです。つまり、「津波の警報が出たらすぐ逃げる」など非難する意識が高まれば高まるほど、大幅に減少させることができる部分であるという事は理解しておきましょう。
その南海トラフ地震も「30以内の発生確率が80%」と言われる昨今、地震に対する備えは大変重要なことで、「地震保険」の見直し、新規加入も増加しているようです。
本コラムでは、地震が発生した時のために「地震保険」についての基本を振り返りたいと思います。また、最近話題性のある「地震建替え保証」と何が違うのかを比較させていただき、それぞれの仕組みの違い、役割の違いを理解いただければと思います。

▽2025.04.01リリース!建サポ「wallstat+地震建替え保証」詳細はこちら
https://zaijubiz.jp/service/tatekaehosho/
▽地震対策には、建サポ「wallstat入力・検証」で「建てる前に揺らせ」
https://zaijubiz.jp/service/wallstat/

1,「地震保険」の基本を知ろう

地震保険については、聞きなれておりほとんどの人は良くご存じだと思いますが、本当に理解できていますでしょうか?
本当は、「地震が発生した時に被害があったら保険金をもらえる」程度の理解ではないでしょうか?
もちろん間違えではないのですが、どのくらいの被害の時に、いくら保険金が下りるのか?
また、そのお金は何に使えるのか?その時、自分の家は住み続けられる状況なのか?
など、具体的に考えれば考えるほどわかっていないことは多いかと思います。
改めて整理してみましょう。
大前提として、地震保険は損害保険の中でも、特殊な部類に位置づけられております。
例えば、自動車保険や自賠責保険のような損害保険では、多くの加入者が支払った保険料で一部の事故にあった人の費用を賄い、多数で少ない確率の者を補う仕組みが保険の基本となっています。しかし、地震においては同じ理論では損害保険の仕組みが成り立たないということは理解できますでしょうか?
地震による損害は確率的には低いかもしれませんが、一度の巨大地震による被害は、「1軒だけでした」なんていう事は絶対にありないことです。
冒頭でお話しした南海トラフ地震の被害想定でも建物の全壊・焼失で235万棟というとんでもない被害額だという事がお分かりいただけると思います。
その為、地震保険では以下のように定められております。

「地震等による被災者の生活の安定に寄与することを目的として、民間保険会社が負う地震保険責任を政府が再保険し、再保険料の受入れ、管理・運用のほか、民間のみでは対応できない巨大地震発生の際には、再保険金の支払いを行うために地震再保険特別会計において区分経理しています。」

つまり、損害保険とはいえ、地震保険においては通常の保険の仕組みでは成り立たないことから、「政府が再保険」している極めて特殊な損害保険であるという事をご理解しておいていただきたいと思います。
更に付け加えると、地震保険は国難と言える自然災害において、保険制度がきちんと成り立つように政府が支援していることから、民間の損害保険会社同士が営業目的での競争原理が働かないように、保険会社ごとに販売価格が変わらないように統一しているところも特殊な保険であることが言えます。

▽2025.04.01リリース!建サポ「wallstat+地震建替え保証」詳細はこちら
https://zaijubiz.jp/service/tatekaehosho/
▽地震対策には、建サポ「wallstat入力・検証」で「建てる前に揺らせ」
https://zaijubiz.jp/service/wallstat/


2,「地震保険」は、なんで建物評価額の50%までしか保険に入れないのか?

このように政府の管轄の下で成り立っている「地震保険」なので、「地震保険法」という法律も存在します。その最初の第一条にはこのように記載されています。

(目的) 第一条 この法律は、保険会社等が負う地震保険責任を政府が再保険することにより、地震保険の普及を図り、もつて地震等による被災者の生活の安定に寄与することを目的とする。

「地震保険」=「建物を直すための保険」と思われている方が多いのではないでしょうか?
地震保険の普及は「被災者の生活に寄与することを目的にする」とあります。
地震で被災した方々の生活安定のための保険であり、必ずしも「建物を直すことを目的とした保険ではない」という事を再認識いただければと思います。

つまり、実際、大地震によって被災してしまうと、住宅の修復費用は勿論のこと、避難生活下での生活費や壊れた家財の修復など様々な費用が発生します。
住宅の復旧を目的とした保険でないことから、地震保険の加入限度額は火災保険設定額の30-50%までしか設定できないとされております。
いわゆる建物評価額の50%が上限となっています。
また、建物の損壊状況によって、その「建物評価額の50%」のうち、更にどれくらいもらえるかが決められています。
因みに、火災保険やその他の損害保険においては、被害額に対して上限額以内で支払いがされますが、地震保険においては、被害額に対してではなく、以下の割合で一律支払われるところも、他の損害保険とは異なる点になります。

平成29年以降保険始期の場合
全損地震保険の保険金額の100%(時価額が限度)
大半損地震保険の保険金額の60%(時価額の60%が限度)
小半損地震保険の保険金額の30%(時価額の30%が限度)
一部損地震保険の保険金額の5%(時価額の5%が限度)

「地震保険では、大して保険金が下りないから住宅の修復はできない」
こういった声はよく聞くかと思います。
これは、保険加入時に「地震保険」=「建物を直すための保険」という理解をしてしまっているからなのかもしれません。
地震による被災に備えて、生活の安定維持のために地震保険の加入は重要です。
ただ、住宅が損壊してしまった場合の準備も別で考えておく必要があるという事になります。
その方法は大きく2通りの考え方になると思います。
1つは、そもそも大地震でも「倒壊しない・住み続けられる」ような耐震性の高い住宅を建てること。もう1つは「地震建替え保証」を検討されることです。

▽2025.04.01リリース!建サポ「wallstat+地震建替え保証」詳細はこちら
https://zaijubiz.jp/service/tatekaehosho/
▽地震対策には、建サポ「wallstat入力・検証」で「建てる前に揺らせ」
https://zaijubiz.jp/service/wallstat/

建サポ「wallstat+地震建替え保証」がリリースしました

在住ビジネスは、設立当初より住まいづくりの設計からお引き渡し後に至るまで、住宅会社の様々なサポート業務の拡充に努めてまいりました。
「住まい」=「人命を守る」=「住み続けられる」
耐震性能の追及は今後も継続的なテーマではありますが、在住ビジネスは予てより「建サポwallstat入力・検証」のサービスで実際の巨大地震が来ても住み続けられる住まいづくりのサポート業務を推進してきました。

▽wallstat(ウォールスタット)とは?
https://zaijubiz.jp/service/wallstat/

その中で、2025年4月からついに「wallstat+地震建替え保証」をリリースできることになりました。
設計上、計算上で安心できる耐震性能の追及には自信を持っておりましたが、ここに「それでも万が一、住宅が損傷を受けてしまった場合の建替え保証」をプラスできることになりましたのでご紹介できればと思います。

「地震保険」に関しては、前項までにお話しした通り、保険金で損壊した住まいを修復するのは難しいです。地震保険は、お施主様が任意で加入申し込みをすることで、「保険金」を直接受け取れるものなのに対して、「地震建替え保証」は、その名の通り、地震により損壊を受けてしまった場合、建て替えをすることで保証提供をするものになります。
ポイントは、市区町村が発行する罹災証明書で半壊以上の被害において、建物評価額の100%を上限として建替え保証が受けられるものになります。
しかも、地震保険と併用が可能なので、どちらか1つを選ぶのではなく、それぞれの役割を理解して、併用加入がお勧めです。
「地震保険」=「建物の修復以外の被災時の生活安定費用として」
「地震建替え保証」=「住まいの修復のために」

地震建替え保証は、一部の住宅会社が採用し始めているケースは見受けられますが、基本的には、「地震があっても保証があるから大丈夫」の考え方が基本だと思います。
しかしここで、もう少し考えていただきたいのは、いくら建替え保証が付いていても、そもそも倒壊してほしくない、というのが本音かと思います。
建サポの地震建替え保証は、基本的にはwallstat検証でしっかりと地震検証をして、巨大地震が来ても十分耐震性能が高いことを確認することを前提としております。
その上でも、万が一、損害が出てしまった場合、責任を持って地震建替え保証を提供しますというコンセプトとしております。

「倒壊しても保証がある安心」から
「倒壊させない確かな安心」へ


建サポ「wallstat+地震建替え保証」は、運営協力会社と連携することで提供させていただいており、大手損害保険会社との保険締結が、この保証制度のベースとなっていることを確認の上、提供させていただいておりますのでご安心いただければと思います。
詳しくは、以下のURLから専用サイトをご確認いただければと思います。

迫りくる南海トラフ地震に対して、何を備えるべきか?
新しい認識を持つことができたでしょうか?
まずは「すぐ逃げる」。これが何より大事です。
その次に、耐震性能ができるだけ高い住まいづくりを心掛ける。
そして、地震保険は任意ですが、被災時の生活を考えれば、是非加入を推奨したいと思います。
最後に、それだけ備えても、住む場所が無くなってしまうと元も子もないので、地震建替え保証を検討してみてはいかがでしょうか?

本コラムが、皆様の地震対策の一環となればと願っております。

▽2025.04.01リリース!建サポ「wallstat+地震建替え保証」詳細はこちら
https://zaijubiz.jp/service/tatekaehosho/
▽地震対策には、建サポ「wallstat入力・検証」で「建てる前に揺らせ」
https://zaijubiz.jp/service/wallstat/

資料請求