コラム

敷地調査とは? 予算相場や追加費用について

 敷地調査はお施主様の住宅を建てるときに敷地の現況を調べるために重要なことです。これからマイホームを建てるお施主様に対し敷地調査では何を調べるのか、予算はどのくらいなのか、そして追加費用がかかるときはどういった場合なのか解説します。

1,敷地調査では何を調べるのか

 敷地調査は、これから建築する上で敷地をありとあらゆる観点から調べることです。一般的には、現況測量と役所調査に分けられます。現況測量は、地積測量図や登記簿の情報と一致しているか、確認しながら、現況における敷地の測量を実施いたします。また、役所調査は現地だけではわからないその土地の決められた法規制などを、管轄の市役所・区役所で確認していく作業になります。言い換えれば、家を建てるためには欠かせない作業といえます。

 では、敷地調査ではいったい何を調べるのか。大きく3点に分けて解説していきます。

面積や形の状況

 まず、家を建てるためには敷地がどのくらいの面積があり、どんな形状をしているのかを測定しなければなりません。「登記簿に記載されているなら、わざわざ図りなおさなくても良いのではないか?」と思われることもあるかと思いますが、昔の測量技術と現代の測量技術も違うため、改めて正確に測りなおすことは必要な作業と言えます。現況測量では正確な面積や形状、間口、奥行きと、建築に必要なさまざまな寸法を測っていきます。

 面積などを測量する時、隣接する土地との境界線が曖昧なケースもあります。境界杭があるか無いかを確認し、無い場合は、計算点として測量図を作成したりします。正確に隣地や道路との境界杭を確定させたい場合は、隣地の所有者に協力を依頼し、「確定測量」を実施し、境界線をはっきりさせるという事もありますが、それについては、次回、コラムにて掲載したく思います。

道路・ライフラインの状況

 さらに、敷地調査は実際に建てる面積などに加え、道路やライフラインにかかわるインフラ状況についても確認していきます。

 インフラ状況は電気(電柱や電線含む)や水道管、ガス、汚水や雨水などの排水設備などが挙げられます。更に建築予定の場所によっては擁壁の状況や敷地境界杭の有無なども調査します。そして、建築設計する上では、隣地・道路・敷地内における高低差確認は重要な情報のため、これらも調べる必要があります。

法的規制にかかわるもの

 そして役所調査では、法的規制にかかわる項目も調べます。主な調査内容としては地目や農地転用可能か、土地の所有権や都市計画や用途地域、特別地域指定などの特殊な区域に該当するか、防火指定や建築協定があるか、建蔽率・容積率、そして道路や斜線制限も確認していきます。

 いずれを確認していくことで、敷地内でどのくらいのサイズの住宅が建てられるのかを定めていきます。調査結果によっては建築計画が変わるケースもありますので、もし変更があった場合はお施主様に説明する必要があります。

2,敷地調査の費用について

 建築する上で、敷地調査はハウスメーカーや工務店が実施するのが通常です。さらに、敷地調査はお施主様に提供する最初のサービスになりますが、費用は、住宅であれば通常は10万円前後が一般的かと言えますが、敷地の広さ・条件によっても異なります。また、地域によっても大きな差があります。

 もしお施主様から予算に対しての問い合わせが入った場合は、建築設計する上で、最初のとても重要な業務のため、しっかり自社で定めている予算を伝えるようにしましょう。

3,追加費用が発生する場合

 前述にもあるように、敷地調査は初めての建築設計の作業になります。その為、現地に足を運ぶのも、初めてのため、予期せぬ状況である事も想定されます。

 地図上で見るより、高低差が大きかった。また、既存建物や樹木など、円滑な測量を妨げるような現場状況の場合は、1日で終わらない場合もあります。 現地に行って、初めて分かったことにより、追加費用が発生してしまう可能性もありますので、想定した予算を見ておく必要があるかもしれません。

4,終わりに

 敷地調査は私たち建築業者やお施主様にとってはじめの一歩といえる調査です。敷地調査がどんなものか、実際の費用や追加でかかってしまう場合などが起きたときは、お施主様に納得していただけるよう、私たち建築業の人間がしっかり理解したうえで誠実に説明できるようになることが大切です。

 不十分な現況測量図や役所調査で設計作業に入ると、後々、計画変更を迫られたり、追加の費用が発生したり、着工が遅延したりと、大変大きな問題に直面することがあります。とても重要な業務のため、敷地調査をここでしっかり学び、お施主様にとって納得していただける家づくりを心掛けていきましょう。

▽敷地調査に関するお問い合わせはこちら▽
https://zaijubiz.jp/service/s-optimize/

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