2026年1月より、建築物だけでなく「工作物」の解体・改修工事においても、有資格者による石綿(アスベスト)の事前調査が義務化されました。これまで建築物のみを対象としていた規制が拡大されたことで、現場責任者や発注管理者は「何が工作物に該当するのか」「誰が調査できるのか」を正確に把握する必要があります。
本記事では、石綿事前調査が義務となった背景や、対象となる工作物、調査に必要な資格について解説します。

在住ビジネスでは、工作物石綿事前調査の代行を承っております。
「今後資格を取得する予定だが、まずは外部に依頼したい」
「工作物の調査はたまにしかないので、アウトソーシングしたい」
そのような場合は、ぜひ在住ビジネスにお問い合わせください!もちろん一般建築物の石綿事前調査も承っております。資料請求からでも可能ですので、お気軽にご相談ください。
※法人(住宅事業者)向けのサービスになります。個人のお客様は住宅施工業者様経由にてお問い合わせいただきますようお願い申し上げます。
目次
石綿事前調査の義務化時期と背景
石綿による健康被害を防止するため、法令が厳格化されています。段階的に進められた石綿事前調査に関する規制について、順を追って解説します。
【2021年4月】全ての改修工事で調査が義務化
アスベストに関する規制は、大気汚染防止法および石綿障害予防規則(石綿則)という法律に基づいて定められています。これらの法律が改正され、アスベストの飛散防止対策が大幅に強化されました。
アスベストとは、天然の鉱物繊維であり、かつては断熱材や耐火材として多くの建築物に使用されていました。しかし、その繊維を吸い込むと、肺がんや中皮腫といった深刻な健康被害を引き起こすことが判明しています。過去には、解体工事などの際にアスベストが飛散し、作業員だけでなく近隣の住民にまで健康被害が及ぶという痛ましい事例が後を絶ちませんでした。
このような背景から、工事に関わる作業員や周辺住民の健康を確実に守り、アスベストの飛散を社会全体で未然に防ぐことを目的として、まずは厳格な調査の義務化が進められたのです。アスベストの有無を設計図書等の文書と目視で調査し、その結果は3年間保存する必要があります。
(参考:厚生労働省「アスベスト(石綿)情報」 )
【2022年4月】一定規模以上は調査結果の報告義務
調査義務化の一年後には、一定規模以上の工事について、事前調査結果の報告が義務化されました。
- 80㎡以上の解体工事
- 請負金額100万円(税込)以上の改修工事
- 請負金額100万円(税込)以上の工作物の解体・改修工事
- 鋼製の船舶の解体・改修工事(総トン数20トン以上)
上記に当てはまる工事は全件、石綿事前調査結果報告システムでの報告が必須となります。
ここで注意しなければならないのは、原則としてほぼすべての解体・改修工事で事前調査自体は必要であるという点です。上記の規模に満たない工事は「報告義務」が免除されるだけで、「調査義務」がなくなるわけではないので注意しましょう。
在住ビジネスの石綿事前調査は、石綿事前調査結果報告システムの報告画面に沿った報告書を納品いたします。報告書を見ながら、スムーズな電子報告が可能です。
報告書のサンプルはこちらから!「石綿事前調査の報告書サンプル希望」と記載いただけましたら、サンプルデータをお送りします。
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※石綿事前調査結果報告システムでの電子報告は元請が行う必要があります。在住ビジネスで代行入力は対応しかねますのでご留意ください。

【2023年10月】資格者による調査の義務化
アスベスト調査は専門知識がない者でも実施可能でしたが、不適切な調査によるアスベストの見落としや、ずさんな取り扱いが問題視されていました。そこで、2023年10月からは、資格を持つ者がしっかりと調査を行うことが義務化されたのです。調査対象となる建築物によって、種類が区分されています。
- 一般建築物石綿含有建材調査者
一般建築物石綿含有建材調査者に係る講習を修了した者で、全ての建築物の調査を行う資格 - 特定建築物石綿含有建材調査者
一般建築物石綿含有建材調査者の講習内容に加えて、実地研修や、口述試験を追加したもので、全ての建築物の調査を行う資格 - 一戸建て等石綿含有建材調査者
一戸建て住宅および共同住宅の内部に限った調査(共有部分は除く)を行う資格
適切な資格を取得することで、より専門的な調査が可能になります。
(参考:厚生労働省 石綿総合情報ポータルサイト 建築物石綿含有建材調査者)
【2026年1月】工作物の解体工事も資格者による事前調査義務化
そして、2026年1月1日以降着工の工事から、工作物の解体工事を行う際にも資格者による事前調査が必須となりました。詳細は後述します。
なお、資格者による調査は2026年1月から義務化されていますが、こちらに記載の通り、一定規模以上(請負金額100万円以上)の調査結果報告義務は、それ以前の2022年4月からすでに義務化されています。
在住ビジネスでは、工作物石綿事前調査の代行を承っております。ぜひ在住ビジネスにお問い合わせください!。資料請求からでも可能ですので、お気軽にご相談ください。
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調査対象となる特定工作物の定義
「工作物」といってもその範囲は非常に広いため、石綿使用のおそれが高いとされている「特定工作物」を具体的に定めています。また、特定工作物以外にも調査が必要になる場合がありますので解説します。
参考資料:工作物石綿事前調査者講習 標準テキスト
特定工作物(調査にあたり工作物の知識が必要なもの)
特定工作物の中でも、事前調査に求められる資格が異なります。ここでは「工作物石綿事前調査者」が調査を行わなければならないものを記載します。
- 炉設備
反応槽、加熱炉、ボイラー、圧力容器、焼却設備 - 配管設備
なお建築物に設ける設備は除く - 貯蔵設備
穀物貯蔵設備は除く - 電気設備
発電・配電・変電・送電設備
特定工作物(建築物一体設備等)
特定工作物ですが、「工作物石綿事前調査者」のほかに「一般建築物石綿含有建材調査者」「特定建築物石綿含有建材調査者」「令和5年9月までに日本アスベスト調査診断協会に登録された者」が調査可能なものを記載します。
- 煙突(建築物に設ける設備は除く)
- トンネルの天井板
- プラットホームの上家
- 鉄道駅の地下式構造部分の壁・天井板
- 遮音壁
- 軽量盛土保護パネル
- 観光用エレベーターの昇降路の囲い(建築物に該当するものは除く)
その他の工作物
特定工作物ではなくとも、塗料など、石綿が使用されているおそれのある工作物については資格者による調査が必要になっています。「工作物石綿事前調査者」のほかに「一般建築物石綿含有建材調査者」「特定建築物石綿含有建材調査者」「令和5年9月までに日本アスベスト調査診断協会に登録された者」が調査可能です。
- エレベーター・エスカレーター
- コンクリート擁壁
- 公園遊具
- 鳥居
- 作業用足場などの仮設構造物
上記は一部になります。詳しい内容は工作物石綿事前調査者講習 標準テキストをご確認いただくか、自治体の管轄部署にお問い合わせください。
調査に必要な有資格者の要件
工作物の石綿事前調査を行うには、適切な資格を保有していなければなりません。
石綿含有建材調査者の資格区分
石綿事前調査には、調査できる対象範囲によって区分が設けられています。工作物以外の調査者も含め、ご紹介します。
- 特定石綿含有建材調査者
一般建築物石綿含有建材調査者の講習内容に加えて、実地研修や、口述試験を追加したもので、全ての建築物の調査が可能。 - 一般石綿含有建材調査者
一般建築物石綿含有建材調査者に係る講習を修了した者で、全ての建築物の調査が可能。 - 一戸建て等石綿含有建材調査者
一戸建て住宅および共同住宅の内部に限った調査(共有部分は除く)を行う資格。 - 工作物石綿事前調査者
工作物に特化した調査を行うための新しい資格区分。
工作物の調査を行う場合は、基本的には「工作物石綿事前調査者」の資格が必要ですが、前項に記載の通り工作物の内容によっては別の資格者・登録者でも調査可能な場合があります。
(参考:厚生労働省 石綿総合情報ポータルサイト)
工作物石綿調査者講習の受講資格
工作物石綿事前調査者になるためには、講習を受講・修了する必要があります。そして、この講習を受けるのにも一定の実務経験や資格が必要です。
〈受講資格〉
- 石綿作業主任者技能講習を修了した者
- 大学や高校で工学について学び、一定期間以上の実務経験がある者
卒業後の実務経験年数に応じて受講資格が得られます。 - 工作物に関して11年以上の実務経験のある者
- 特定化学物質等作業主任者技能講習修了し、工作物石綿事前調査の実務経験が5年以上ある者
- 建築行政もしくは環境行政(石綿飛散防止に限る)に関して2年以上の実務経験のある者
- 産業安全専門官もしくは労働衛生専門官
過去に上記だった者も含まれます。 - 労働基準監督官として2年以上従事した経験のある者
- 1~7までのいずれかと同等以上の知識・経験を有する者
(参考:厚生労働省 石綿総合情報ポータルサイト「工作物石綿事前調査者講習」)
まとめ
法改正により、工作物の石綿事前調査も必ず有資格者による調査を実施しなければならなくなりました。現場の安全を守り、法令を遵守するためにも、早めに資格取得を進めるか、信頼できる調査機関への依頼体制を整えておくことが重要です。
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