コラム

建築業界の一般的なお役立ち参考情報を掲載させていただいております。
掲載内容と異なるケースもございますので、関係機関等からの情報も併せてご確認いただければと思います。

現況測量を解説!~確定測量との違いや測量の流れ~

目次

「家を建てる前に、まず現況測量をしましょう」
「土地を売るなら、現況測量図が必要ですよ」

不動産会社やハウスメーカーからこのように言われ、「現況測量って何?」「費用はいくらかかるの?」「確定測量というのも聞いたけど、何が違うの?」と疑問に思っていませんか?

土地の売買や新築、リフォームなどを考え始めると、必ずと言っていいほど登場するのが「測量」という言葉です。特に現況測量は、計画の第一歩として非常に重要な役割を果たします。

この記事では、測量の専門知識がない方でも現況測量の全てがわかるように、以下の点を詳しく解説します。

  • 現況測量の基本的な意味と目的
  • 最も混同しやすい「確定測量」との決定的な違い
  • 依頼から完了までの具体的な流れ

この記事を読めば、あなたが今なぜ現況測量を求められているのか、そして次に何をすべきかが明確になります。安心して計画を進めるために、ぜひ最後までお読みください。

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現況測量とは?

現況測量とは、その名の通り「土地の現在のありのままの状況」を正確に測る作業のことです。隣の土地との境界線を確定させるのではなく、今そこにあるブロック塀やフェンス、建物の位置などを基準にして、土地の形状や面積を把握することが主な目的です。

「仮測量」などと呼ばれることもありますが、多くの場合、現況測量とほぼ同じ意味で使われます。

現況測量が必要になる主なケース

では、具体的にどのような場面で現況測量が必要になるのでしょうか。主に以下の3つのケースが挙げられます。

建物の新築・増改築計画時

これから家を建てる、あるいはリフォームや増築をする場合、設計の第一歩として現況測量が必須です。設計士は現況測量図をもとに、建物の配置、駐車スペース、庭の計画などを具体的に検討します。

また、建築基準法には「建ぺい率」や「容積率」、道路や隣地との距離制限(斜線制限など)といった様々なルールがあります。これらの法規制をクリアした設計を行うためにも、正確な土地の現状データが欠かせません。

土地売却の準備段階

土地を売却する際、買主に対して土地の概要を説明するために現況測量図が利用されます。買主は現況測量図を見ることで、その土地にどのような建物が建てられるかを具体的にイメージしやすくなり、安心して購入の検討を進めることができます。

ただし、売買契約時には、後述する「確定測量」が求められることが一般的です。現況測量は、あくまで販売活動の初期段階で、土地のポテンシャルを示すために行われることが多いです。

相続した土地の現状把握

親などから土地を相続したものの、その土地がどこからどこまでなのか、広さや形状がわからない、というケースは少なくありません。

このような場合に現況測量を行うことで、相続した財産(土地)の現状を把握できます。将来的に売却するのか、活用するのかを判断するための重要な材料となります。

現況測量の目的とわかること

現況測量の最大の目的は、計画のたたき台となる「現況測量図」を作成することです。現況測量を行う会社や土地家屋調査士・測量士によって細かい違いはありますが、おおよそ以下のような土地の現状が分かります。

  • 土地のおおよその面積や形状
    土地がどのような形をしていて、どのくらいの広さがあるのかがわかります。
  • 土地の高低差
    敷地内にどれくらいの高低差があるか、また隣の土地や道路と比べて高いのか低いのかがわかります。
  • 建物や構造物の位置
    敷地内にある建物、ブロック塀、フェンス、電柱、マンホールなどの位置関係がわかります。
  • 隣地との境界標(杭など)の有無
    境界を示す杭がどこにあるか、あるいは存在しないのかを確認できます。
  • 越境の可能性
    自分の敷地のブロック塀や建物の屋根が隣の土地にはみ出していないか、逆に隣の土地から越境されていないか、その可能性を把握できます。

これらの情報は、建物の設計プランを立てたり、土地の概算価格を算出したりする上で必要な基礎データとなります。ただし、上記の項目が分からない場合もあります。このあたりは土地によってケースバイケースですので、ご留意ください。

現況測量と役所調査はセット?

在住ビジネスでは「現況測量+役所調査」をセットで「敷地調査」としていますが、人によっては「敷地調査」=「現況測量」の意味合いで使われることもあります。認識の齟齬が無いよう、最初にすり合わせておく必要はあるでしょう。

では、この現況測量とセットで行われる「役所調査」とはなんでしょうか。これは「法令規制や設備関係の情報等、設計するうえで必要な情報を調査するもの」です。

現況測量では土地の形状を、役所調査ではその土地にどのような建物が建てられるか等を調べますので、住宅の新築の際などはほとんどの場合で必要になるものでしょう。

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現況測量と確定測量の違い比較

現況測量とともによく聞く言葉に「確定測量」があります。この2つは目的も効力も全く異なるため、違いを正しく理解しておくことが非常に重要です。

ここでは、両者の違いを「目的・精度」「法的効力」の3つの観点から比較し、どちらを選ぶべきかの基準を解説します。

比較項目現況測量確定測量
目的現状把握(建物設計、概算価格算出など)境界の確定(登記、土地売買など)
精度境界は既存の塀や杭などを参考にする隣地所有者や役所の担当者と立会い、合意の上で境界を確定
費用相場
※あくまで目安です
数万円~25万円程度35万円~80万円程度(高額になる場合も)
期間
※あくまで目安です
2週間程度(調査日~納品まで)2ヶ月~4ヶ月程度(半年以上かかる場合も)
法的効力なしあり
成果物現況測量図確定測量図(筆界確認書付き)

【目的別】どちらの測量を選ぶべきか

「自分の場合は、どちらの測量が必要なの?」と迷ったら、以下の基準で判断してください。

  • 現況測量が適しているケース
    • 自宅の新築やリフォームの設計プランを立てたい
    • 土地活用のための、おおまかな計画を立てたい
    • 相続した土地の現状をとりあえず把握したい
    • 土地売却の販売活動を始めるための参考資料が欲しい
  • 確定測量が適している(または必須の)ケース
    • 土地を売却する(買主から求められるのが一般的)
    • 登記簿の面積と実際の面積が違うので、正しく直したい(地積更正登記)
    • 一つの土地を複数に分けて売却・相続したい(分筆登記)
    • 隣の土地との境界線でトラブルがあり、はっきりさせたい
    • 物納や融資の担保設定で、金融機関や税務署から求められた

基本的には、「境界を確定させる必要があるか、ないか」が最大の判断ポイントです。不明な場合は、依頼する不動産会社やハウスメーカー、土地家屋調査士に目的を伝え、どちらの測量が必要か相談しましょう。また、確定測量は隣地の所有者と境界ラインを現地立ち合いにて確認していく作業になるため、隣地所有者が多ければ多いほど、時間と費用が発生します。そのことを十分に理解しておく必要があります。

やり方と流れ・期間

実際に現況測量を依頼した場合、どのような流れで進むのでしょうか。

ここでは、在住ビジネスが依頼を受けてから成果物の納品までのステップを例として記載します!

STEP1:日程調整

敷地調査のご依頼がありましたら、日程調整を行います。全国に協力会社がおりますので、ご希望に沿った調査会社を手配いたします。

STEP2:現地での測量作業

土地家屋調査士や測量士が現地を訪れ、測量作業を行います。トータルステーショントランシットと呼ばれる専門の測量機器を使い、土地の境界点(既存の杭や塀など)、建物の位置、高低差などを精密に測定していきます。

この際、立ち会いは基本的に不要な場合がほとんどですが、ご希望があればお立合いいただくことも可能です。また、確認事項がある場合は、お立合いをご依頼する場合もあります。敷地の大きさ等、現地状況によりますが、作業は通常半日~1日で完了します。

(STEP3:役所調査)

前述の通り、在住ビジネスでは役所調査も承っております。「敷地調査(現況測量+役所調査)」をご依頼いただいた場合は、法令関係等、建築に必要な情報も調査します。

STEP4:在住ビジネスのスタッフによる内容確認

ここが在住ビジネスの最大のポイントです。協力会社である土地家屋調査士・測量士の測量データ・役所調査情報に、建築に本当に必要な情報が記載されているか、在住ビジネスのスタッフが内容確認します。もちろん、不足や誤りがあれば修正した上で納品いたします。

STEP5:納品

基本的には【調査日から8営業日】で納品させていただきます。依頼~調査日までの日数は状況によりますので、お気軽にご相談いただれば幸いです。

また、下の「お問い合わせ」のボタンより敷地調査報告書のサンプル送付もご依頼いただくことができます。是非ご連絡ください。

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現況測量に関するよくある質問

最後に、現況測量に関して多くの方が抱く疑問にお答えします。

Q. 測量を自分で行うことはできますか?

A. 専門的な知識と高価な機材が必要なため、現実的ではありません。

メジャーで簡単な距離を測ることはできますが、正確な面積や高低差を算出するには、トータルステーションなどの専門機材と、それを扱う技術が必要です。特に、建築確認申請や不動産取引に使う図面は正確な測量が必要なケースが多いです。

Q. 越境が見つかった場合はどうなりますか?

A. 隣地の所有者と協議が必要になります。

現況測量の結果、自分の家の屋根や塀が隣地にはみ出している、あるいはその逆の「越境」の可能性が判明することがあります。

この場合、すぐに何かを撤去しなければならないわけではありませんが、将来のトラブルを防ぐために、隣地所有者と話し合い、「越境に関する覚書」などを取り交わすことが推奨されます。この問題の解決のために、改めて「確定測量」が必要になるケースも少なくありません。

まとめ

今回は、土地の計画を進める上で基本となる「現況測量」について、その目的から費用、確定測量との違いまでを詳しく解説しました。

最後に、この記事の重要なポイントを振り返ります。

  • 現況測量とは
    土地のありのままの現状(面積、形状、高低差、構造物の位置など)を把握するための測量です。
  • 確定測量との違い
    隣地所有者の立会いのもと境界を法的に確定させる「確定測量」とは異なり、現況測量に境界を確定させる効力はありません。その分、費用は安く、期間も短く済みます。
  • 費用と期間の目安
    現況測量であれば費用は数万円~25万円、期間は調査日から2週間程度が相場ですが、状況によって変動します。
  • 主な目的
    建物の新築・増改築の設計や、土地売却の準備、相続した土地の現状把握などに利用されます。

現況測量は、あなたの土地の価値や可能性を正しく知るための第一歩です。現況測量でお困りの際は在住ビジネスまでお気軽にご相談ください。

さらに、在住ビジネスでは「敷地調査(現況測量+役所調査)」の対応をしております。また、現場に出向く必要が省ける最先端のDX化測量「3D測量」も承っております。詳しくは以下のボタンからご確認ください。

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