地盤サービス事業

住宅設計者の義務〜遵守しなければならない法規及び基準等〜

住宅設計者は基本設計および実施設計の業務を請け負った以上、重い責任を背負っております。
地盤に対する判断も責任を持って行わなければならない業務になります。
地盤起因による事故は、最高裁判例で人の身体、生命、財産に危険を及ぼす設計や施工の瑕疵ならば、
20年間は不法行為による賠償責任が住宅設計者にも課せられます。

建築基準法施行令 第38条1項(基礎)

建築物の基礎は、建築物に作用する荷重及び外力を安全に地盤に伝え、
かつ、地盤の沈下又は変形に対して構造耐力上安全なものとしなければならない。

住宅瑕疵担保責任保険設計施工基準
(瑕疵担保履行法の保険申し込みを行える住宅条件)

地盤調査結果の考察、又は基礎設計のためのチェックシートによる判定(以下「考察等」という)に基づき地盤補強の要否を判断し、地盤補強が必要である場合は、考察等に基づき地盤補強工法を選定し、建物に有害な沈下等が生じないように地盤補強を施すこととする。

国土交通省告示1113号

基礎の底部から下方2m以内の距離にある地盤に、スウェーデン式サウンディングの荷重が1kN以下で自沈する層が存在する場合、若しくは基礎の底部から下方2mを超え5m以内の距離にある地盤に、スウェーデン式サウンディングの荷重が500N以下で自沈する層が存在する場合にあっては、建築物の自重による沈下、その他の地盤の変形等を考慮して、建築物又は建築物の部分に有害な損傷、変形及び沈下が生じないことを確かめなければならない。

不同沈下事故の判例

平成20年6月11日 和歌山地方裁判所判決
軟弱地盤にベタ基礎にて建築された住宅が不同沈下し、
取り壊して再築する額に相当する損害賠償が認められた事例

平成7年5月の建物の引き渡しから6ヵ月後、不具合が発生。平成12年秋頃、地盤が不同沈下していることが判明し、
基礎立ち上がりや基礎底盤に、ほぼ全域にわたってクラックが発生し、最大傾斜1000分の7の不同沈下が認められた。

判決の要旨

建築基準法施行令 第38条1項により、本件建物の基礎構造には、法令に違反する欠陥があると判決が下された。

  • 建築士A

    上記法令違反及び建築基準法令適合建物を
    提供する義務を怠ったことによる
    不法行為責任を負う。

  • 住宅建設会社B

    瑕疵補修に代わる損害賠償義務を負う。
    不法行為責任を負うAの使用者として
    民法715条1項の使用者責任をも負う。

  • 代表取締役C

    忠実義務を負っている為、Bの
    法令遵守義務違反に対し重大な職務懈怠があり、
    会社法429条に基づく第3者に対する
    損害賠償責任として、民法709条の不法行為責任も負う。

損害の発生及び額

本件建物の構造耐力上の安全を回復するには、建物解体後適切な地盤補強工事を施工した上で再築するほかなく、

建物の再築費用(地盤の修復含む):3,038万円
代替建物レンタル費用:130万円 / 引っ越し費用:30万円
慰謝料:100万円 / 調査鑑定費用:150万円 / 登記費用:30万円
弁護士費用:350万円

合計:3,828万円を相当因果関係のある損害と認める。

redball